フリー終了後、うつむくカミラ・ワリエワ【写真:AP】

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北京五輪フィギュアスケート女子フリー

 北京五輪は17日、フィギュアスケート女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位だった15歳カミラ・ワリエワ(ROC)は4位だった。昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示していたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が今大会の出場継続を認めて演技。シニア転向後、国内外の大会で初黒星を喫した。4位転落に対し、海外記者らに「信じられない」「なんてストーリーだ」と衝撃を走らせている。

 ワリエワは4回転サルコーを堪えたが、続く3回転アクセルの着氷で手をついた。しかし、4回転トウループの着氷後に転倒。後半の4回転トウループでも転倒した。後半のジャンプでもバランスを崩し、精彩を欠いてこれまで見せてきた姿ではなかった。フィニッシュでポーズを決めると、膝に手をついてうつむく。両手で顔を覆った。

 SP2位のアンナ・シェルバコワ(ROC)は合計255.95点の金メダル、SP4位のアレクサンドラ・トルソワ(ROC)は同251.73点の銀メダル、SP3位の坂本が同233.13点の銅メダルだった。騒動により、現時点で順位はあくまで暫定的なものとなる。

 海外記者たちはツイッターで続々と速報した。米放送局「NBC」のニュース特派員スティーブ・パターソン氏は「信じられない、ワリエワ。大きなミスのあと4位に。結局、奇妙なことに……メダルセレモニーが見られるはず」と投稿。カナダ公共放送「CBC」のデビン・ハーロウ記者は「なんて衝撃的なストーリー展開だ」と驚いている。

 IOCはワリエワが合計で3位以内に入った場合、メダル授与式は実施しない方針を示していた。米ジョージア州放送局「ニュージー」のレポーター、ステファニー・ライバーゲン氏は「Wow。五輪で衝撃。ロシアのカミラ・ワリエワが女子でメダルを逃がした。フリーで着地のミスが続き、4位に」と伝えた。

 一方で世界的騒動となった中で演技を終え、米スポーツ専門局「CBSスポーツ」のレポーター、ベン・スタイナー氏は「彼女を可哀想に思う。出場許可が出るべきでなかった。でも、プレッシャーと批判は対応するのが難しかっただろう。最終的に、彼女は15歳の少女なんだ」とツイート。米スポーツ専門局「CBSスポーツ」のポッドキャスト・プロデューサー、マシュー・コカ氏は「カミラ・ワリエワが可愛そう。彼女は15歳だ! この少女は15歳なんだぞ! 彼女は世界中の人々の前で粉々にされた。彼女が今耐えなければいけないことに対し、コーチは恥を知るべきだ」といった声も上がっている。

(THE ANSWER編集部)