文大統領(アジア・太平洋通信社機構合同取材団)=(聯合ニュース)

写真拡大

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、日本政府が「佐渡島の金山」(新潟県)の世界文化遺産登録を目指していることに対し「遺憾なこと」と述べた。文大統領がこの問題に言及するのは初めて。任期満了を5月に控え、聯合ニュースと海外通信社による合同の書面インタビューに答えた。

 文大統領は「歴史問題の解決と未来志向的な関係の発展を模索すべき時なのに、憂慮される」と語った。韓日間では旧日本軍慰安婦問題や強制徴用被害者への賠償問題などを巡る対話が進んでおらず、こうした中で日本が、強制徴用が行われた場所の世界遺産登録をまたも推進することを批判したといえる。 

 韓日間の懸案について、文大統領は「外交的に解決しようと努力したが、まだ接点を見いだせず、残念だ」と述べた。

 歴史問題の本質は人類の普遍的な価値である人権の問題とした上で、「問題解決には被害者が受け入れることができる方策が必要だ。それが国際社会で確立された原則」と指摘。さらに「被害者が納得できる解決策を見つけて真の和解を図るためには、歴史に対する誠実な姿勢と心が何よりも重要だ」とした。

 その一方で、「わが政府はいかなる提案に対しても開かれており、対話によって問題を解決していくことを期待する」と強調した。歴史とは明暗があるもので、これを直視し、ともに傷を癒すことで、より強い関係に発展していけるとの考えを示した。

 文大統領は「韓日両国は北東アジアと世界の平和・繁栄に向けても協力すべき最も近しい隣国」としながら、「歴史問題の進展に向けた努力とともに、韓日間の未来の協力課題を強化していく必要性は一層増している」と指摘した。あわせて、「日本の首相との意思疎通に関し常に開かれた立場であることに変わりない」と強調した。