日光市の二宮尊徳記念館で江戸時代の感染症と人々の暮らしをテーマにした企画展が行われています。

この企画展は現在流行している新型コロナウイルスになぞらえて江戸時代の流行り病と当時の感染症対策をテーマにしています。

江戸時代の感染症の代表格ははしかやコレラでしたが、医療の恩恵を受けられる人が限られていた当時、対策はもっぱら祈ることでした。 

会場には日光地域の人々が疫病を防ぐとされる牛頭天王を祀って奉納した旗や魔除けとして地域の入り口にぶら下げた大きなわらじなど市内に残る資料を中心に60点が展示されています。

こちらの赤色の帳簿は疫病から回復したお祝いに近所の人や親族からもらった金品を記録したもので、病気にかかることが常だった当時の人々の感染症との付き合い方がうかがえます。

また、報徳仕法で知られる二宮尊徳の息子がコレラに感染した際に壬生藩の医者である齋藤玄昌がこれを治療した記録や疫病で家族を亡くした人に無利子で融資を行う当時の救済制度など江戸時代の医療や感染症対策が徐々に発展していくさまを知ることができます。

この企画展は3月いっぱいまで開かれています。