千代田区に驚くほど多い「世帯年収1,000万円以上」 東京都内で高収入世帯が多い区市町村
東京は物価や住居にかかる費用が高い街と言われますが、多くの大企業の本社が位置していることからも、高収入を得ている人が多い街でもあります。そこで今回は、東京都内で世帯年収1,000万円を超える世帯の割合が多い区市町村を紹介します。全国平均とも比較していますので、住む街を選ぶ際の参考にしてくださいね。
都内の世帯年収の平均は?
まずは東京都内全体と全国の世帯年収の分布をチェックしてみましょう。東京都、全国ともに最も多いのは年収300万円未満の世帯です。
東京都・全国の世帯年収の分布
上記の分布はすべての世帯が対象です。単独世帯と子育て世帯に分けた世帯年収の分布も見ておきましょう。
全国の単独世帯の半数以上は年収300万円未満ですが、東京都内では39.06%。単身者であっても全国平均よりも収入水準が高いことがわかります。
年収500万円を超える単身者世帯の割合は、東京都16.97%、全国は12.11%。この調査では年齢層までは明らかにされていませんが、東京の単独世帯は若年層だけでなく30・40代やそれ以上の単身世帯の割合が多く、世帯年収が高くなっているとも考えられそうです。
子育て世帯(※)で、世帯年収が1,000万円を超えているのは24.02%。東京都では子育て世帯のうち、約4分の1が世帯年収1,000万円以上ということになります。
高収入世帯は都内のどのエリアに多い?
続いて、東京都内で高収入世帯の割合が多い市区町村のランキングをチェックしてみましょう。ここでは年収1,000万円以上の世帯を高収入世帯としています。
年収1,000万円を超える単独世帯の割合が高いのは、企業の本社や官公庁が多く集まる千代田区や中央区、港区です。
千代田区の子育て世帯のうち、世帯年収1,000万円を超えている世帯は半数を超えています。千代田区はその面積のうち22.3%を皇居や靖国神社などが占め、8.8%は官公庁施設。企業の本社や官公庁が多く「昼間人口」が多い地域として知られていました。千代田区の人口は1950年代から2000年までは減少の一途をたどっていましたが、2000年代に底を打ち、増加に転じます。さらに子育て支援や教育施策が評価されて、ファミリー世帯の転入が増え、30代・40代の構成比が増加。千代田区に住むファミリー世帯は、都心に住む共働きの高所得者夫婦が多いと推測できます。
出典:「千代田都市づくり白書(1)「都市の特性と魅力」編」
千代田区や中央区、文京区、港区など高収入者が多く住むと知られている都心エリアの中で、唯一23区外からランクインしているのが武蔵野市です。武蔵野市といえば、暮らしやすい街として人気の「吉祥寺」。駅から徒歩数分の場所に井の頭公園があり、気軽に自然と触れ合える街です。また、駅前には多くの商業施設や商店街があり、吉祥寺から出ることなく、暮らしが完結します。そんな吉祥寺を中心とした武蔵野市に、多くの高収入世帯が流入していても不思議ではありません。都心に住んでいた高所得世帯が結婚後や子どもが生まれた後、武蔵野市に引っ越しているケースも多いと考えられます。
東京都内の暮らしは本当に豊か?
東京都内は単独世帯も子育て世帯も、全国平均に比べて世帯年収1,000万円以上の世帯の割合が多く、金銭的に豊かな暮らしを送っているように感じます。
そこで、東京都民の単身者世帯を除く勤労者世帯の預貯金残高を調べてみました。
平均額とはいえ、東京都のほうが全国平均よりも約500万円も預貯金残高が多いことから、家賃や生活費の高さに関係なく、貯蓄できている世帯が多いと言えます。
同じく勤労者世帯の消費支出の東京都平均と全国平均を比較してみました。
東京都と全国の消費支出を比較すると、決して東京都の消費支出が突出して高いわけではないことがわかります。教育費は高額ではありますが、消費支出の総額の差は1.11倍。預貯金額ほどの差はありません。
まとめ
東京都で世帯年収1,000万円以上の世帯の割合が最も多いのは千代田区、次いで中央区、港区でした。いずれも単独世帯だけでなく子育て世帯の世帯年収も高く、子育て世帯に限れば千代田区はその半数が世帯年収1,000万円を超えています。
東京は家賃や物価が高いと言われますが、勤労者世帯の預貯金残高は全国平均を約500万円上回っており、都心部を中心に豊かな暮らしを送っている世帯が多そうです。これらのデータを次に住む街を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。