クリームチーズがとろり!ミートボールと白菜のクリームスープ【冬のごちそうスープ #2】

クリームチーズがとろりと顔を出す。ミートボールと白菜のクリームスープ

最小限の調味料を使う、シンプルで滋味深いレシピを数多く考案されている角田さん。スープのレパートリーも豊富で、普段の生活でも体調を整えたいときや、食欲がないときにはスープをよく取り入れているそうです。

今回ご紹介いただくのは、ミートボールと白菜のクリームスープ。週末の疲れが後を引いていたり、食べすぎが続いていたりで、夕食を軽く済ませたいときに重宝するスープだそう。先週のレシピ同様出汁は不使用ですが、具材から旨味を上手に引き出す火の入れ方や、材料を加えるタイミングなど、おいしく仕上げるコツが随所に散りばめられていますよ。

「実はわたし、ミートボールが大好きなんです!今回ご紹介するスープは、ミートボールとこれから旬を迎える白菜を、たっぷり味わえるひと品。コクを出すためにクリームチーズを使いますが、スープにそのまま加えるとドロドロに溶けてしまうので、ミートボールに混ぜ込むことで、スープを温めると溶け出すように工夫しました。

もうひとつのポイントは、白菜に焼き色をつけてから煮込むこと。白菜の旨味を最大限に引き出すひと工夫です。ミートボールを作る手間はかかりますが、その時間を含めても20分程度で調理できますし、格段にごちそう感がアップします。パンを添えれば、ランチや軽めの夕食にもぴったりです」

材料(2人分)

調理時間20分

<ミートボール>
・豚ひき肉......250g
・卵......1個
・玉ねぎ......1/2個
・パン粉......大さじ2杯
・トマトケチャップ......大さじ1杯
・塩......ひとつまみ
・クリームチーズ......60g

・白菜......2枚
・牛乳......200cc
・塩......適量
・オリーブオイル......大さじ1/2杯

下準備

・白菜を食べやすい大きさに切る
・玉ねぎをみじん切りにする
・スープを作る鍋にお湯(分量外)をわかす

作り方

1. ミートボールの材料を混ぜ合わせる

ボウルに豚ひき肉、卵、みじん切りした玉ねぎ、パン粉、トマトケケチャップ、塩を入れ、粘りが出るまでよく混ぜあわせます。

「ミートボールの味を決めるのは、トマトケチャップ。塩をひとつまみしか入れないのは、あとから加えるクリームチーズにじゅうぶん塩分が含まれているからです」

2. 1にクリームチーズを加えて混ぜる

ミートボールの材料に粘りがでてきたら、クリームチーズを手でちぎって加え、軽く混ぜます。

「クリームチーズは加熱するときに溶け出してしまうので、大きめにちぎってください。溶けるチーズやパルメザンチーズでも代用できますが、パルメザンチーズの場合は塩分が強いので、分量を減らしてくださいね」

クリームチーズをミートボールの生地に軽く混ぜ込みます。混ぜすぎるとクリームチーズの塊がなくなってしまうので、混ぜすぎには注意しましょう。

3. ミートボールをゆでる

ミートボールを直径2.5~3cmほどの大きさにまとめ、熱湯に落とします。クリームチーズはミートボールの内側に包み込むように丸めましょう。

「ミートボールは少しまとまりづらいかもしれませんが、ざっくりで大丈夫!形成後すぐに熱湯に落とせば、浮き上がってきたときには自然に丸まっていますよ」

あくをとりながらゆでます。ミートボール同士がくっつかないように、一度にたくさん入れないようにしましょう。

ミートボールが浮いてきたらゆ、鍋から引き上げてください。すべてのミートボールがゆであがったら、ゆで汁の100mlをとりわけて残りは捨て、鍋を空にします。

4. 白菜を炒める

ミートボールをゆでた鍋を軽く熱し、水分が飛んだらオリーブオイルを加えます。十分に温まったら白菜を入れ、表面に焼き色がつくまで炒めます。

白菜に軽く焼き色がついたらいったん取り出します。

「白菜は水分が多いので、軽く色づく程度まで焼いたらOKです。いったん焼くことで、そのまま煮込むよりも白菜の旨みが増します」

5. 牛乳とゆで汁を合わせた鍋に、白菜とミートボールを加える

白菜を炒めた鍋に、牛乳と取り分けておいたミートボールのゆで汁(100cc)を加え、中火で温めます。煮たちそうになったら弱火にし、炒めた白菜、ミートボールを加えてさらに1~2分煮込みます。最後にスープの味をみて、塩で味を整えればできあがりです。

「牛乳が入っているので沸騰させないように、白菜とミートボールを温めてください。最後に塩を加えるときは、クリームチーズの塩分を考慮して薄めの味付けにしてバランスをとりましょう」

ひと皿で2度おいしい!ミートボールと白菜のクリームスープ

さっぱり目のスープですが、クリームチーズ入りのミートボールをひと口たべると、コクたっぷりのスープに早変わり。ひと皿でふたつの味を楽しめます。

「野菜を汁物に入れるときは、一度焼きつけてから加えることが多いです。コクが増すので、調味料を使わなくても十分においしくなりますよ。野菜はほうれん草やきゃべつ、じゃがいもに変えてもいいし、この時期はきのこもおすすめです。きのこはミートボールに混ぜ込んでもいいですよ」

次回はクリスマスにぴったりの和風ボルシチです。こちらも短時間でできあがります。お楽しみに!

取材・文/古川あや
撮影/宮本信義