「なんで勉強するの?」「友達に嫌われた」悩める子どもの心がラクになるメッセージ
私たちの人生は、悩みの連続。大人はもちろん、子どもたちだって日々悩んでいます。人間関係は友達づき合いから成績のこと、そして将来の夢まで、周囲の大人にはなかなか打ち明けづらいもの。そんな悩める子どもたちに向け、前向きで勇気あるメッセージをつめ込んだ書籍『大人も気づいていない48の大切なこと キミの心をラクにするかんたんなヒント』(学研プラス刊)が発売後、即重版となり話題です。
窮屈な「今」を生きる子どもたちへ。筋肉インフルエンサーから48のメッセージ
著者は、筋トレと筋肉で学んだ教訓を生かした「心がスッと軽くなる」Twitterのメッセージが大人気のマッチョな筋トレ伝道師、Testosterone(テストステロン)(@badassceo)さん。
この本では、「友達に嫌われた」「将来の夢が見つからない」「なんで勉強しなきゃいけないの?」といった子どもの悩みに丁寧に答えます。お子さんとのつき合い方を模索する、ママ、パパにも参考になる言葉がいっぱいです。
●やりたいことや将来の夢が見つからなくても全然問題ない!今を全力で生きてみよう
テストステロンさんは現在32歳。今はマッチョですが、学生時代は体重110キロの肥満児だったそうで、「小学生のときは勉強もスポーツもダメダメで、自分に自信が持てない子どもだった」そうです。
そんな彼を変えたのが高校時代の米国留学で出合った筋トレ。今や3カ国語を話せる語学力を持ち、米国で格闘技デビューしたり、アジアの大都市で社長業をしたりと多才な人です。
だからこそ、やりたいことのない子どもに「“将来の夢”が見つからないならそれでいい」といいます。そもそも、将来の夢なんてそんなに簡単に見つからないのだから、今やりたいことこそを懸命にやればいいのだ。勉強や習いごと、たくさんの場所に行くこと、映画や動画を見ることなどすべてが経験に繋がるのだからと。
一方で、保護者としては気になる「勉強」についても、筆者らしく大切さを語ります。
●勉強はだれのためでもない「自分」のためにする。ゲームのレベルを上げるようなもの
「じゃあ、勉強なんて意味ないじゃん!」という子どもたちの声が聞こえてきそうです。そんな子どもたちに対しては「ボクも小学生のときは毎日思っていたもん(笑)」と優しく同意するテストステロンさん。一方で、勉強をしておいたことが後々役立ったことも力説しています。
「勉強で学んだ知識は、広がった世界を冒険するための地図や武器、防具にもなる。今までは実力がたりなくて挑戦できなかったステージに挑戦できるようになるんだ」
とゲームのアイテムやレベルを例に出して伝えるのです。大人に言われてイヤイヤ勉強するのはもったいない、勉強は楽しんじゃおうと。
テストステロンさんは勉強から得た知識を糧に、留学をはじめ海外で多くのチャレンジを行ってきたバックグラウンドがあります。それらが今、著作やTwitterで自らの思いや意見を裏打ちすることにもなり、多くの人々の共感を得る糧ともなっているわけです。とても説得力がありますよね。
●だれからも嫌われないのは無理!だから「嫌われても気にすんな」
最近はコロナ禍の影響もあり、なんとなく窮屈で「生きづらい」雰囲気を感じる子どもも少なくありません。また日本はあえて目立つことをせず、周囲と歩調を合わせ「空気」を読むスキルが求められる傾向にあります。
「嫌われたくない」という思いにとらわれ、学校や家庭で無理をしたり、悲しい思いを抱えてしまったり…。そんな悩みにもテストステロンさんは明快に答えます。
「キミを嫌いなのはその人の問題であってキミの問題じゃない」
「ムリに好かれようとする必要も、ムリに好きになる必要も、ムリにいがみ合う必要もない」
「合わない人がいるのは当たり前で、自分のせいじゃない」と言われると、大人でもスッとラクになりますね。
そして、友だちとの関係に悩んだり、疎外感を感じていたりと自分に自信を持てない子どもにぜひ伝えたいのは「キミには大事にされる権利がある」というメッセージ。
「すべての子どもは安全な環境でのびのびと成長することができる権利がある」ことは世界的に認められていて、「キミだってキミの友だちだってみんな生まれながらに持っている権利」であり、ぜいたくなことではないということ。
子どもがありのままの自分を大事にすることは、自己肯定感を高めるための重要なキーワード。自己肯定感は前向きに生きていくための心の土台だからです。
「自分を大事にしてほしい」と子どもに伝えたくても、言葉にするのは難しいもの。心にスッと入ってくるテストステロンさんの本で、子どもの心を解きほぐしてあげたいですね。
この本は、キュートなイラストも多用され、漢字にもふりがなが振ってあり、サクサク読める1冊。ぜひ親子で「テストステロン流・楽しんで生きるヒント」を見つけてみてくださいね!