50代、義母との同居。10組の布団が押し入れからはみ出して…
子どもたちの手が離れたとき、次に考えなければならないことは年老いてくる両親のことです。なかには、これから同居を視野にいれてらっしゃる方もいるのではないでしょうか? しかし親との同居には不安なことも多いですよね。自身もアラフィフ世代で整理収納アドバイザーの小林志保さんは、長年親との同居をされているそう。そこで、今回は親との暮らしを幸せにするコツを教えてもらいました。
ものの量が増えすぎないように意識する
70代の義母と同居生活15年目の私が幸せを感じながら生活できるようになったのは、家の中を整え始めたことからです。
意識しなければものの量はどんどん増えていきます。同居をするということはものの量が2倍になってしまうということ。個人の自室はよいとして、共有スペースだけは適正量などのルールを決めておく必要があります。2世帯分のものの管理は相手の気持ちとのすり合わせも必要となります。
●ポイントは適正量と使用頻度、定位置管理の方法
【なぜ手放せないのか?さまざまな原因があることに気づく】
私が同居を始めた頃、義母が持っているもので一番衝撃的だったのは布団の数。
10セット以上の寝具は、押し入れからはみ出し、敷布・掛布・毛布・シーツなどは私の身長を超えるほどの高さに積み上げられていました。ものを減らすためには「なぜこんなにも布団の数が増えてしまったのか?」と、その原因を知ることが大切となります
【ものには持ち主の「想い」が。その理由を知ることで、ものを減らせる行動へ】
義母がなぜ布団を大量に持っていたのか? その理由は簡単なことでした。
家族をもった子どもたちが帰省する際に「布団が足らなければ可哀想だから」と、その優しい気持ちから年に一度は新しい布団を購入しどんどん増えていってしまったのです。
●ものを持つことへの安心感から、持つ量を管理できている安心感へシフトさせる
ものを捨てられない理由に「捨ててしまったあとに後悔したらどうしよう?」と不安な気持ちになってしまうということがあります。
そうすると「ものを持つことへの安心感」から、ものを抱えこんでしまい管理ができなくなってしまいます。うちの義母も布団の量を管理しきれず、どんどん購入してしまう悪循環に陥っていました。そんな義母に私がかけた言葉はこの二つ
(1) 押し入れに入るだけの量を持つように
(2) もしも足らなければレンタルに
押し入れという枠から適正量を決め、布団のレンタルという方法で足らない分は補えることを伝えました。
そうすることで布団の管理を義母から私に移行し、「布団が足らなかったらどうしよう」という不安からも解放することができました。
大切なことは義母が納得し、安心できる量までを減らすこと。一気に減らしすぎると不安になってしまうこともあるのでこのあたりのさじ加減は大切となります。
●それはいつ使うもの?だれがつかうもの?
ものの収納を考える時に必要なのが「それはいつ、だれが使うもの?」ということです。
わが家の布団は、義兄妹が来たときにその家族が布団の出し入れをします。ですから布団の収納は誰が来ても使いやすい仕組みとなっています。
上段2組の布団は、いつだれが来てもいいように出しっぱなしにしています。
ほかの布団は、収納ケースに敷布と掛布をセットにして収めています。
同居生活のものの管理は住んでいる家族のことだけではなく、時々来訪してくる義兄妹のことまで考えながら収めていくとより楽な暮らしとなります。
●同居で大切なことは「相手がいること」をより意識すること
勝手に捨てない、勝手に移動しない、収納場所は自分だけではなく高齢である親が使いやすい場所へ設定することも必要です。
同居をスタートする前はものの量も収納場所も好きなように設定できましたが、同居後は相手がいることを意識して、お互いに思いやりの心を持ちながら楽しく幸せな暮らしへ向かって欲しいと思います。