世界初の心エコー検査ロボット「Orizuru」初公開!横浜ロボットワールドでデモ 早稲田大学 岩田浩康研究室

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早稲田大学 岩田浩康研究室(創造理工学部 総合機械工学科)は2021年11月10日からパシフィコ横浜で開催されている横浜ロボットワールドにおいて、世界初となる座位で手軽に超音波検査を受けられる心エコー検査ロボット「Orizuru」を初公開することを発表した。

●心エコー検査ロボット「ORIZURU」

心疾患は突然死にも繋がり得るため、早期発見が重要。通常の心エコー検査は仰臥位や側臥位で受診するのが一般的。これに対し、ORIZURUはロボットに乗り込み胸を押し当てるだけで、座位のまま手軽に心エコー検査を受けられるのが特徴的。ORIZURUはエコーで心臓が見えやすい位置までロボットが自動で体姿勢を変えてくれる機能を備える他、エコー画像を解析しながら診断に足る鮮明な検査断面を描出する機能を搭載している。



●「Orizuru」の特徴

「BOA」(Body Orientation Adjuster):

ORIZURUは座位のまま手軽に心エコー検査を受けることができる。心臓の位置は被検者の体姿勢によって変わり、エコー画像の鮮明さにも影響する。BOAにより、心臓が見えやすい
位置まで自動で体姿勢を調整することが可能。このとき、身体の各部に圧迫や痛みが生じないよう、上半身と下半身が連動して動く仕組みが導入されている。



「PSU」(Probe Scanning Unit):

心臓の検査断面を描出する上でプローブの姿勢を変更する場合、プローブ先端が体表面から離れず、体表面上での位置もずれないようにする必要がある。そこで、プローブ走査に球
面パラレルリンク機構を採用することで、プローブ先端を回転中心とした3自由度(ロール・ピッチ・ヨー)の回転運動を可能とした。また、鮮明なエコー画像を取得するため、PSUにはしなやかに体表面の凹凸に追従しつつ、胸壁に対するプローブの押し付け力を適度に維持する機構的な工夫が施されている。



Machine learning - based image processing:

超音波プローブの位置や角度に応じて心疾患に特徴的なエコー画像が大きく変わるため、微細なコントロールが不可欠。そこで心疾患のエコー画像をAIに読み込ませ、それらと照合しながら適切なエコー断面を描出するAI基盤技術を開発している。



●早稲田大学 岩田浩康研究室について

早稲田大学 岩田浩康研究室は人を支援するロボット技術の開発を行っている。医療分野ではロボット・AI技術を融合させ、心疾患の早期発見を目的とした遠隔医療システムの構築を目指している。横浜ロボットワールドでは心エコー検査ロボット「Orizuru」のデモンストレーションを行い、未来型の医療システムを提案する。

【実演デモ】:

名称
横浜ロボットワールド
日時
2021年11月10日(水)〜11月11日(木)10:00〜17:00
場所
パシフィコ横浜