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愛知県が主催するサービスロボット社会実装推進事業「あいちロボットトランスフォーメーション(ARX)」が11月3日(祝)、豊田スタジアムではじまった。同日には会場を愛知県知事が訪問し、ロボットの実証実験を視察したり、「キックオフトーク」イベントに登壇した。(関連記事「愛知県「ARX」が豊田スタジアムではじまる!県知事がロボットの実証実験を視察、「ARXキックオフトーク」も開催」)



豊田スタジアムは敷地内が広大なのでスタッフは通常、自転車で移動しているが、「COMOVE」が移動手段として活用できるか、どのような点に課題があるかなどを検証した。また、「ARXキックオフトーク」イベントでは、大きなグランパスくんがステージに登場したが、グランパスくんは会場まで「COMOVE」が引いた台車に乗っかってやってきた。意外と力持ちなのだ。





●自律移動ロボットが集結

掃除ロボットや除菌ロボット、警備ロボットなど、普段は一般の人の目に留まる機会が少ないロボットも多い中、こうして人が多く集まる場所に展示されるのは、ロボットの存在を身近に感じる良い機会になったに違いない。

●掃除ロボット「T380AMR」(クリーンスタジオ)

洗浄幅を小型化した自動運転対応のロボット型スクラバー(床洗浄機)。狭い場所での運動性能を高め、従来機では難しかった狭いエリアでの自律走行による洗浄作業を実現した。清掃するルートの指定は、人が運転して清掃ルートを走行するとそれ記憶して次回以降は自動運転で清掃してくれる。



クリーンスタジオ株式会社の掃除ロボット「T380AMR」。

●自律移動ロボット台車「Talbot」

新明工業株式会社の自律移動ロボット「Talbot」。自動運転に使われるAIを応用し、タブレットで目的地を指定すると、クラウドサーバーから地図情報をダウンロードして自律移動する。センサーで周囲の環境を認知して人を避けて移動できる。

ロボットとしての要は移動するユニット台車の部分で、上部には様々な機器を付けて活用できる。写真の「Talbot」には空気清浄機を装着したもの。人混みが多いところに自律移動して、空気清浄を行うことができる。



遠隔操作で広場を移動する「Talbot」。空気清浄機を搭載しているバージョンなので本来は室内で使用する



ARXキックオフトークでは、県知事の横に置かれていた

●「TAKUMI CLEAN」(ナ・デックス)

オゾンで施設の除菌・脱臭する自走式ロボット。SLAM技術を使って周囲の地図情報を作成して自律走行する。AIで障害物を検知、スムーズに回避して移動する。コロナウィルスをはじめとした各種ウィルスの不活性化にも効果があるとされる。当日は豊田スタジアム内のギャラリーで除菌作業を自走噴霧したが、スタジアムが開場したため、展示ブースへと移動した。ギャラリーでの除菌の様子は別途記事で掲載する予定。



株式会社ナ・デックスの「TAKUMI CLEAN」(タクミクリン)

●コミュニケーションロボットがお出迎え

●会話ロボット「Kebbi Air」(名古屋国際工科専門職大学)

展示ブースにはコミュニケーションロボットが設置されていて、来場者に話しかけていた。「Kebbi Air」(ケビー エア)は、店舗や教育現場など、様々なシーンに対応できる会話ロボット。特に台湾で導入が進んでいる。



会話ロボット「Kebbi Air」(ケビー エア) 

「Kebbi Air」には6つのマイクアレイと人感センサーを搭載、ロボットの前に人が来るとロボットが話しかけることができる。また、12個のサーボモーターによって滑らかな動きや、タッチセンサーによるインタラクティブな対応も可能となっている。



家族連れや子どもがKebbi Airの話に耳を傾けていた 関連記事「AIロボット『Kebbi Air』と次世代デジタル技術でDXを推進 名古屋国際工科専門職大学、Edutexと連携した産学連携プロジェクト」



これらがARXのイベント展示ブースに展示されていたロボットたちだ。このほか、豊田スタジアム内で実証実験を行っていたロボットたちは次回に紹介しよう。お楽しみに。

●スポーツ施設や病院、空港などで実証実験

「あいちロボットトランスフォーメーション(ARX)」は、実証実験を希望するロボットベンダーと施設を募集、ロボットと施設のマッチングを実施した結果、様々な社会課題の解決に資する最先端のロボットと7施設で実証実験を実施する。2021年11月から2022年3月にかけて、今回の豊田スタジアムのようなスポーツ施設、大名古屋ビルディングのような商業施設、医療機関、農場、空港等で実証実験やデモンストレーションを実施していく(詳細は公式ページを参照)。

なお、実証実験は主に報道関係者向けのため、広く一般の見学は予定されていないが、豊田スタジアムのように一部を公開する可能性がある。また、実証実験の様子はARXホームページで、動画等で公開される予定となっている。

なお、11月25日から開催する「ロボカップアジアパシフィック2021あいち」にて同事業のロボットが展示されたり、展示内容として一般の人が見学することができるコーナーが用意される。



(神崎 洋治)