今年7月、芳賀町にハンバーグをメインにしたテイクアウト専門のレストランがオープンしました。店長を務めるのは今年1月にコロナ禍で閉店した飲食店の従業員だった男性です。長く勤めた店の味を受け継ぎ、お客さんにまた美味しい笑顔を届けようと奮闘しています。

黒毛和牛と国産豚を7対3の黄金比率で合挽。つなぎは最小限で肉の旨みがたっぷり詰まったハンバーグです。

今年7月に芳賀町に本格オープンしたテイクアウト専門のレストラン、おやじのハンバーグの弁当です。

店長の川又英明さん(34)はコロナ禍を受けて今年1月に閉店した焼き肉店「真岡闇市」で働いていました。

その店主で敬愛する「おやじ」こと鶴見義治さんから声を掛けられ、テイクアウト専門店おやじのハンバーグの店長を任されました。

しかし川又さん「闇市」時代はホール業務が中心でした。

川又さん:「調理のスキルは素人同然。鶴見さんのノウハウを自分のものにできるよう修行中」

師匠・鶴見さんのサポートを受けながらキッチンに立ち技術を磨く毎日です。

この日も地元の人などが続々とやってきました。

弁当を買った人は:「テイクアウトの店は助かる。家族で外に食べに行けなくなったから」

キッチンでは川又さんと鶴見さんが黙々と弁当を作り続けます。

ランチの人出が落ち着いた昼過ぎ。2人にオープンからの2カ月を改めて振り返ってもらいました。

2人:「思ったより客が来てくれた、いつの間にか2カ月経った。不安はある、でも飲食や食べることはなくならない、コロナに対応した提供の仕方をやっていくしかない」

川又さんは鶴見さんの前の店「真岡闇市」におよそ10年勤めました。

その間ずっと順調だったわけではなく、仕事に思い悩み2年ほど店を離れた時期もあったといいます。

そして現在、この新しい店で店長という責任ある立場を引き受けています。

川又さん:「もう一度チャレンジしようと思った。闇市のハンバーグに惚れていた、大好きだ。鶴見さんは第二の父親。そのノウハウをどれだけ吸収できるかで今後が変わると思う」

好評だった闇市のランチのハンバーグをテイクアウト用に作り直したおやじのハンバーグ。

訪れるお客さんには前の店のファンも多いそうです。

従業員も闇市のころから働いている人ばかり。川又さんと鶴見さんをそっと見守り、支えています。

川又さん:「失敗したときもみんながフォローしてくれてもっと頑張ろうと思えた」

長引くコロナ禍で経営を断念した飲食店は少なくありません。その中でも自慢の味を残し、また美味しい笑顔を多くの人に届けたい。弟子と師匠の挑戦の日々は続きます。