唐突ですが、“ポイントカードやレシートがぎっしり詰まった財布”と、“すっきりスマートな財布”。どちらを持っている人が貯め上手だと思いますか? 答えは後者です。その秘密を検証するべく、年間120万円を貯蓄する達人の財布の使い方を大公開! お金のプロからのアドバイスもお届けします。


貯まる人の財布の特徴って?(※写真はイメージです)

貯蓄上手な人の財布の中身を拝見!



「パンパンに膨れたお財布はお金もちの象徴…ではなく、逆に貯まらない人によく見られる傾向です」と話すのは、ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さん。

「期限ぎれのポイントカードやクーポンが入ったままのお財布は中身が見づらく、お金の管理がしづらくなります。対策として、ポイントはなるべくスマホのアプリにひもづけて財布をすっきりさせるとよいでしょう」

節約アドバイザー・和田由貴さんも「財布の中が乱れている人は、必要ない買い物をしてしまいがちです」と話します。
「お財布がパンパンな人は、まずは1日1回、レシートを取り出して整理する習慣をつけてみて。また、コード決済も便利なのでおすすめです。ただし、支出管理のために費目ごとに決済方法を変えるなど工夫を」

実際に貯め達人である読者のHさんが使っている財布の中身をお見せします。

●コレが年120万円貯まる人の財布です!




驚くほどすっきり! な財布には、貯まるコツがぎっしり

(1) クレジットカードは外出先で使うことはほぼなし。おもにサブスクの引き落としに使用。

(2) 自分のこづかいを管理。ストレスがたまったときは100円ショップで爆買いして発散。

(3) 夫の給与口座のキャッシュカードは毎月28日に使用。住宅ローンはじめ、各種引き落としもここから。

(4) 家族全員分の保険証を財布で保管。そのほか、こちら側には免許証や図書館のカード、地域の子育てカードを。

(5) 小銭専用口座のカード。月約1万円は貯まり、昨年、15万円の乾燥機つき洗濯機を購入。

<お財布の持ち主Hさん(40歳・千葉県)のプロフィール>

会社員の夫(44歳)、長女(9歳)、二女(7歳)、ネコ2匹と暮らす。しばらく専業主婦だったが、出産後に在宅でイラスト作成など創作系の仕事をスタートし、プチ稼ぎも。

<Hさんの毎月の家計>
収入(手取り) 40万円
生活費(食費・日用雑費、レジャー費、子供費など) 10〜13万円
貯金 10万円
年間貯蓄 120万円

お金が循環する財布でムダなく貯まる仕組みに




収納にも気を使うなど、“すっきり”好きのHさん。先に紹介した愛用の長財布も、使い始めて数年たつのに新品同様にキレイ! じつはこれこそが、貯まる秘訣でした。

「私にとって財布は、お金を運ぶためのもの。なので、余っているお金やレシートは入れっぱなしにせず、買い物後は財布の中身をリセットしています。また、買い物に行く際は予算を立ててその分しか入れないので、“なんとなく”、さらに“必要以上に”お金を使ってしまうことがなくなり、使途不明金はゼロに。財布を中心にお金を循環させているから、決まった金額が貯まっていきます」

財布をキレイに保ってお金の流れを整え、貯まる仕組みをつくったHさん。そのテクを紹介します。

●1:給料日に貯金と生活費を振り分ける




毎月28日に給与口座から2万円ずつ家族4人それぞれの口座に移し、翌月の生活費10〜13万円(行事によって変動)を下ろします。
「子ども手当がある月はそれも4等分して貯金」

●2:生活費は用途別にお札と小銭を分けて管理




自分の名前をつけた『やよい銀行』と名づけた中身が見えるケースでお札と小銭を分けて管理。
「普段の買い物はお札だけ持って行きます。小銭は代引きサービスの支払いに」

●3:買い物リストで予算を立て必要な額を財布へ




食品、日用品ともに買うべきものをスマホのリスト機能へ入力。
「その日使う額をあらかじめ計算し、その額だけ財布に入れて持参するから、衝動買いやダブり買いの発生もなし!」

●4:買い物帰りにすべての小銭を貯金




買い物が終わったら、スーパーの向かいにある銀行へ直行。
「残った小銭を専用口座に入金し、財布の中をリセット。通帳も持参し、その都度記帳して残高が増えるのを楽しみます」

●5:レシートはその日のうちに家計簿をつけて処分




レシートは必ず持ち帰りますが、帰宅後すぐに財布から出し、家計簿アプリに入力したらすぐに処分。
「不要なものをため込まないことで、お金の流れもスムーズになる気がします」

財布以外の工夫も!達人の貯めルール



おトクな制度やアプリを駆使して、さらに貯めワザを加速中!

●地域の施設は有効活用する




子育て家庭優待カードや施設の年間パスの利用で、外食やレジャー費を大幅削減。年2〜3万円はトクする計算に。


「お出かけ時は、お弁当と水筒を持参して当日の出費ゼロを目指します」

●ポイントはアプリで貯め財布をゴチャつかせない



会員証やポイントカード、クーポン類は可能な限りアプリに移行して管理。
「楽天ポイントをメインに貯めていて、年間数千円分のポイントをゲットしています」


ポイントアプリは『ポイ活』とくくってまとめています。


数が増えないように定期的に見直して厳選。スマホもすっきりさせるのが目標です。

財布の中がきちんと整えられていると、お金も管理しやすく、結果、毎月の着実な貯蓄へとつながります。まずは財布の使い方から見直しを。やりくりしやすい財布使いをマスターすれば、貯まる家計に!

<撮影/難波雄史 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【畠中雅子さん】



ファイナンシャルプランナー。新聞、雑誌などに多数の連載をもち、全国でセミナーや講演も行う。『ラクに楽しくお金を貯めている私の「貯金簿」
』(ぱる出版刊)など著書多数

【和田由貴さん】



節約アドバイザー。「節約はムリをしないで楽しく!」をモットーに、消費生活や食生活など家事の専門家として幅広く活動。著書に『超かんたん! はじめてのスマホ決済
』(扶桑社刊)