主婦業のかたわらエッセイストとしても活動する若松美穂さんが、楽しく、豊かに暮らすためのさまざまな工夫をつづります。

東日本大震災を機に、実の母と同居を始めた若松さん。家族だからといって、最初からスムーズにいったわけではないと言います。
同居生活で感じたことを執筆していただきました。



母と私のドタバタ暮らし〜違いすぎるキッチンの使い方〜



「あなた、私と一緒にキッチンを使うのをイヤがらないわね」と母。確かに!
キッチンに二人いれば、お互いの前に手が伸びたり、作業をしている足元の引き出しを「ちょっといい?」と開いたり、「これ閉まってくれる?」とお願いしたり・されたりするもの。
友人は言います「私はだれかと一緒にキッチンを使うのは絶対無理。手順とか、私流の使い方があるもの」と。
そうですよね。そうかもしれません。

けれど私の場合、小さいころから従業員さんや祖母と、当番制で食事の用意をしていたこともありますし、わが家は夫も料理をします。相手の動きを見て、自分がなにをすればいいのかを判断する・指示に従う“アシスタント”は、どちらかというと私の得意分野なのです。

けれど、不満がないかといったら…あります!!(笑)。
母は今、時間に余裕がある生活をしていて、とくに急ぐ必要はないのですが、もともとのクセなのでしょう。早く、早くとスピード重視。というより、“片づけ”と“つくる”を一緒にすることが苦手なのかな。
料理を始めると、まぁ散らかします。母が料理をしたあとは、シンクの中にいろいろなものが広がり、カウンターはびしょびしょ。「どうしてこうなるの?」と、毎回驚きます。

一方の私は、キッチンは見た目も、実質的にもきれいにして使いたい方です。洗ったものの水分はきる、ふく。使ったものはその都度片づける。野菜の皮をむいたら、用意した袋に入れて、できるだけ排水口にゴミを流さない。
片づけながら料理をして(絶対に…ではないにしても)、食事ができるころには、片づけも終わっている方が好きです。

結果、私がした選択は「あきらめる」ただそれだけ。母が料理をしている間は母のリズムでOK、気になるところは、アシスタントの私がちょいちょい片づける、ふく。
それなら、自分がした方が早いと思う場合は、私がする! という感じになりました。

【若松美穂(わかまつみほ)】



お金をかけずにセンスと工夫でおしゃれに暮らすカリスマ主婦読者として、生活情報誌『ESSE』や『サンキュ!』などで紹介され人気者に。2011年、心理カウンセラーの資格を取得。主婦業のかたわら、エッセイストとしての執筆活動のほか、講演、各メディアへの出演など多方面で活躍。夫と娘2人、母親の5人家族。埼玉県在住。公式サイト「“いま”と“みらい”のへや
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