日本のレフティーモンスターの“右足”が必殺技に 見えてきた縦突破の形
PSVで若手とのポジション争いに敗れ、ブンデスリーガのアルミニア・ビーレフェルトから再出発した日本代表MF堂安律。
さらに上のレベルへ到達するために何が必要なのか。その1つのヒントとなるのが右足の使い方なのかもしれない。
アルミニア・ビーレフェルトは20日にシュツットガルトと対戦して3-0の勝利を収めたが、このゲームでは堂安の右足がキレていた。47分には右サイドから右足でクロスを放り込み、これが相手のオウンゴールを誘う結果に。
堂安は昨年10月のバイエルン戦でもゴールを決めているが、この時も今回と全く同じパターンだった。左足でボールをまたぎ、縦へ突破して右足でマヌエル・ノイアーから得点を記録。中へカットインするだけでなく、縦に突破してから右足でフィニッシュする形が出来上がりつつあるのは間違いない。
堂安といえばオランダのフローニンヘンで評価を伸ばしたが、オランダ・エールディヴィジにて右足で奪った得点は僅か3点。その3点はフローニンヘンでプレイしていた2017−18シーズンに決めたもので、リーグ戦9得点のうち3点が右足によるものとなっている。そこからエールディヴィジでは1つも右足での得点がなかったのだ。
それがブンデスリーガでは17試合に出場して早くも右足で2点を記録。2017−18シーズン以来の右足ゴールとなっており、堂安の中で意識の変化があるのは間違いないだろう。
アルミニア・ビーレフェルトは堂安が以前所属していたオランダのPSVより選手層が劣ると言っていい。順位も下の方で、優勝争いに参加できるようなクラブではない。しかし、ブンデスリーガの環境そのものはエールディヴィジより厳しい。DFの対応もハードだ。エールディヴィジ以上に得点を奪うのが難しい環境なのは間違いない。
その中で堂安が得点を奪っていくためには、右サイドから中へカットインして左足でフィニッシュする形だけでは不十分なのだろう。そのパターンで頂点に立つには、それこそ元バイエルンFWアリエン・ロッベンのようにカットインを必殺技の域まで高めるしかない。ロッベンの場合は分かっていても止められないものだったが、さすがにそのレベルを目指すのは難しい。中、縦の両方に侵入できるようにパターンを増やしていく方が理想的だ。
堂安の右足精度がさらに安定すれば、相手DFは対応が難しくなる。PSVでの苦い経験はあったが、今後の日本代表を引っ張れる逸材として、堂安は確実に伸びている。