【MLB】大谷翔平の二刀流査定は「非常に奇妙なケース」 専門家も悩ませる年俸調停
従来はモデルケースに合わせて選手年俸を予想するも「どちらを選ぶのか」
メジャーで前例のない二刀流査定はどうなるのか? エンゼルス・大谷翔平投手の年俸調停に米メディアも興味津々だ。米スポーツメディア「ジ・アスレチック」はメジャーの年俸調停予想の専門家で、ナショナルズの経営コンサルタントを務めるマット・スワーツ氏の二刀流査定についての見解を紹介した。
今までにない二刀流選手の査定。2011年から米メディア「トレード・ルーマーズ」で各選手の年俸予想を公表しているスワーツ氏も「オオタニは非常に奇妙なケースで、従来のモデルが適応できない」と頭を悩ませているようだ。本来なら、これまでは投打それぞれのモデルケースに合わせて選手の年俸を予想していたが、大谷の場合には、投打のどちらをベースにするかが問題になるという。
大谷は1年目の18年に二刀流旋風を巻き起こして新人王を受賞。しかし、18年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、19年は打者に専念。昨季はシーズン序盤に右前腕を故障して打者に専念した。スワーツ氏はメジャー3年目までなら打者ベースで予想していくというが、来季以降の年俸予想をより難解にさせるのが先発投手、主軸打者と投打で活躍したケースだ。同氏は大幅な昇給は間違いないと指摘した上で、「投手モデルか打者モデルか、どちらを選ぶかという問題がさらに難しくなる」と言及した。
年俸調停の権利を持つ選手と所属球団が希望額を提出する期限だった15日(日本時間16日)までにエンゼルスと大谷は合意に至らず。引き続き交渉は可能だが、折り合わなければ2月に行われる年俸調停委員会の裁定に委ねることになる。
ジ・アスレチックは「オオタニが2021年(そして2022年)にどんなパフォーマンスを見せるかに関わらず、今回の聴聞会の決定はオオタニの将来の調停年俸のベースラインを設定することになるだろう」と指摘した。今季年俸だけでなく、来季以降をも左右する年俸調停となりそうだ。(Full-Count編集部)