寒い季節になると、風邪などの感染症が流行します。今年は例年流行が見られるインフルエンザだけでなく、新型コロナウイルス感染症も増加しています。手洗い、うがい、マスクの着用、手指消毒などの感染症予防を心がけるだけでなく、体の抵抗力をつけ、感染症から身を守りたいものです。今回は、冬に備えるための感染症対策にも効く、温かいレシピをご紹介しましょう。



○冬は感染症にかかりやすい!?

例年寒くなってくると、かぜ症候群、インフルエンザ、ノロウイルスなどさまざまなウイルスによる感染症が流行します。今年は、これらのウイルスに加えて、新型コロナウイルス感染症も流行っているため、感染症対策が必要です。冬は、低温、低湿度な環境で、ウイルスにとって長く生存ができるため、最適な環境といえます。特に温度16℃以下、湿度40%以下はウイルスの生存が長くなり、感染力が強くなります。

また、冬の寒さ、外気の乾燥、水分摂取が少ないことによる体内水分量の減少が重なり、免疫力の低下にもつながります。手洗い、うがい、マスクの着用、手指の消毒など感染症対策をしながら、免疫力を高め、健康な体を作りましょう。

○免疫力アップはよい睡眠から

免疫は、体を外敵から守る防御機能のことをいいますが、人間の体に備わっている自然免疫、後天的に生じる免疫である獲得免疫と大きく2種類があります。この免疫機能を正常に働かせることで、免疫力を高めることにつながります。免疫力は思春期を終える20代がピークになるといわれていますが、免疫力を下げないために必要になるのが睡眠です。睡眠時間が短い7時間未満の人は、8時間以上眠る人に比べ、3倍も風邪をひきやすいというデータもあります。まず取り入れやすい睡眠をしっかりとることで、自律神経を整え、血流をよくすることにつながります。血流がよくなると、白血球が行き渡りやすくなり、免疫力を発揮することになります。

○良い睡眠は食事と生活習慣から整える

睡眠の目安は7時間です。免疫力を高める睡眠を得るためには、日中から準備することが大切になります。そのためには、朝日を浴びることが大切です。朝6〜7時ごろには起きて、太陽の光を浴びるようにしましょう。睡眠を促すメラトニンと呼ばれるホルモンが、起床から15時間ほどで分泌量が増え、その1〜2時間後に眠たくなります。朝日を浴びると体内時計がリセットされるため、朝日を浴びることで正常に働くことができます。

新型コロナウイルス感染症の影響で、在宅ワークが増え、朝寝坊をしたり、夜遅くまで仕事をしたりと十分な睡眠が取れていない人は要注意です。朝寝坊をしないこと、ウォーキングなど適度な運動を行うことがセロトニンの材料となり、メラトニンが分泌されることになります。

○豆乳レシピで睡眠の質をアップ!

豆乳は、大豆たんぱく質、ビタミンE、ビタミンB、カリウム、マグネシウム、イソフラボンなど栄養豊富な食材です。また、眠りを誘うホルモンを体内で合成するときに必要なトリプトファンも含まれています。トリプトファンは、セロトニンの材料にもなり、精神を鎮める効果が期待でき、眠れないなどといった不眠の解消にも役立ちます。トリプトファンは体内で作ることはできませんので、食事から意識してとるようにしましょう。

今回は、豆乳を使ったお腹にも優しい和風クリーム煮をご紹介します。

鶏肉とほうれん草の和風クリーム煮

<材料>2人分

鶏モモ肉      150g

ほうれん草     1/2束

長ネギ       1/4本

しめじ       1/2パック

水         1カップ

豆乳        1カップ

みりん       大さじ2

薄口しょうゆ    大さじ1と1/2

かつお節      5g

片栗粉       大さじ1/2

水         大さじ1/2

粗びき黒コショウ  少々

<作り方>

1:長ネギは斜め薄切り、しめじは根元を除き、手でほぐす。ほうれん草は塩を入れた湯でゆで、流水にさらし、しっかり水気を切る。1cm長さに切っておく。

2:鶏肉は一口大に切り、皮目を下にして、フライパンに並べ、焼き目がつくまで両面を焼く。1の長ネギ、しめじを加えて、塩を振り、さっと炒めておく。

3:2にほうれん草と水、豆乳、みりん、薄口しょうゆ、かつおぶしを加え、10分ほど煮る。

4:3に水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつけ、塩で味を整えたら器に盛り、粗びきこしょうをふったらできあがり。

豆乳は飲んでも美味しく、いろいろな料理にも合います。生活習慣を整え、食事に豆乳を取り入れながら、免疫力アップを目指しましょう。

岡田明子 おかだあきこ 管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など この著者の記事一覧はこちら