JR十条駅(東京都北区)に貼られたポスターが、ツイッターで注目を集めている。

それがこちらだ。


電車でも分かる(画像はもフこん@hiwa_conさん提供、編集部で一部トリミング)

この写真は2020年9月14日、ツイッターユーザーのもフこん(@hiwa_con)さんが投稿したもの。

十条駅の多機能トイレに貼られているというこのポスターには

「多機能トイレ たばこ ダメ」

という注意と、埼京線の車両の写真がデザインされている。

また車両からは

「そうだぞ」

とセリフが吹き出しており、その下には

「電車ですら理解しているようです」

との一文が。

多機能トイレに関わらず、トイレで煙草を吸うのは絶対にいけないことである。

それは確かなことではあるが、「電車ですら理解している」とは...。物凄い煽り文句だ。

見た人は思わずギョッとしてしまうだろう。

しかも、同駅の多機能トイレに貼られているポスターはこれだけではない。


わかるかな?(画像はもフこん@hiwa_conさんより提供、編集部で一部トリミング)

こちらのポスターには

「多機能トイレは喫煙ルームではありません
赤ちゃん連れのお客さまも使います
純粋無垢な赤ちゃんにタバコの煙 吸わせますか?」
「ここでたばこはだめだよ わかるかな?」

というフレーズが並んでいる。

特に後半部分はまるで子どもに言い聞かすかのような口調だが、「トイレで煙草を吸ってはいけない」という当然のことを守れない人には、このくらい言わないと伝わらない...ということなのかもしれない。

印象的なポスターたちだが、十条駅がそれだけ多機能トイレでのマナーに困っていることがよく分かる。

このポスターに対し、ツイッターでは

「よほど悩まされていたんだろうなあ」
「『電車ですら理解しているようです』とかセンスのかたまりかよ」
「賢い電車だなぁ」
「こういう決まりを守れない奴らがいるから喫煙者が悪い目で見られるんだよなぁ...」
「めっちゃ好きなんですけど、そうでもしないと理解できない奴がいるというのもなぁって」
「もうトイレだけ煙感知したら問答無用で天井から水出していいんじゃねぇかな」

とポスターのユニークさを称賛するコメントや、喫煙マナーについてのコメントが寄せられている。

どうして、このようなポスターが誕生したのか。また、実際にトイレで喫煙をする困った人がいるのか。

JタウンネットはJR東日本の広報担当を通じて十条駅を取材し、詳しい話を聞いた。

「良心に訴えるようなポスターに」

担当者によると、十条駅にこのポスターが掲示されはじめたのは20年8月中旬から。

以前から、年に数件ほど利用者から、「トイレでタバコの臭いがする」といった意見があったそう。

それに対し、禁煙であることを知らせるステッカーの掲示などを行っていたが、あるとき

「小さなお子様のおむつ替え等で利用されるお客さまから『タバコの臭いがする』と申し出がありました」

と担当者。それがきっかけで、このポスターは誕生したという。

「十条駅では、小さなお子さまがご利用できない状況があってはならないと考え、『良心に訴えるようなポスターを作成しよう』ということになりました。
ポスターは、電車を擬人化することで、皆さまに伝わりやすいようにしました」(担当者)

担当者は、ツイッター上で話題になっていたことは「存じておりませんでした」とした上で、

「『マナーやルールを守っていただきたい』という取り組みが話題になったことはありがたいです。小さなお子さまや全てのお客さまが快適にご利用いただけるようご協力をお願いいたします」

とコメントした。