育ち盛りのこどもに大切な睡眠とは
「ホルモンの分泌促進」と「神経細胞の剪定」の2つの効果
睡眠によって剪定された樹状突起でネットワークが構築される
今回は子どもに与える2つの睡眠効果についてお伝えしようと思います。
子どもは大人になるために、日々成長しています。みなさんもよくご存知の「成長ホルモン」は、肉体的に育ち盛りの子どもになくてはなりません。むかし、「成長ホルモンは睡眠中にたくさん分泌されるんだって。だから寝る子は育つっていわれるんだよ。」と叔母から聞いたことがあります。
このホルモンの働きは骨や筋肉の成長だけでなく、生きていくために必要なエネルギーを作り出す新陳代謝にも必要です。肉体的に成長が止まってしまった大人だって、このホルモンが必須なのです。
【関連記事】「こむら返り」は体からの危険信号
人のからだの中に張り巡らされている「神経」は神経細胞がたくさん集まっています。
神経細胞は「細胞体」「軸索」「樹状突起」の3つの部分で構成されています。
その内、樹状突起は周りの神経細胞に情報を伝えて行く電線みたいな働きをします。電車の路線図でいえば、新宿駅を中心として延びている、山手線,中央線,埼京線,京王線,小田急線,丸の内線,都営新宿線,都営大江戸線をイメージすると分かり易いと思います。
テレビなどの情報番組で「レム睡眠」とか「ノンレム睡眠」という言葉を聞いたことがあるでしょう。前者は体が、後者は体も頭も眠っている時間です。
眠りにはこの2種類あると知った頃、「だったら、ず〜っとノンレム睡眠を取っている時が一番眠りが深くてからだに良いんだなぁ。」と単純に思っていました。ところが、レム睡眠とノンレム睡眠が規則的に繰り返されることが、健全な睡眠サイクルなのだそうです。
また、レム睡眠も重要な役わりがあるらしい。細胞同志の情報伝達を担う「樹状突起」は学習した時に延びるのですが、それがレム睡眠の時に『剪定』されるのです。(※1)
剪定とは、木々の枝を切り落として樹木そのものを強く丈夫にしたり、美しい姿にするための作業です。
調べてみると樹木の剪定にも「弱剪定」と「強剪定」がある。前者は夏〜秋に掛けて行われ、樹木の姿や多くの花や実を付けさせるために行われるものです。後者は冬〜春に、見栄えを良くするだけでなく、幹や根本に日光を届かせたり風通しを良くして生育を促すために行われます。なので、レム睡眠はいかにも樹状突起の強剪定のように、しっかりした神経のネットワーク作りに寄与しているのでしょう。
これだけ大切な睡眠。
中高生の約7割にスマホの利用時間が増加している。小学生がスマホを使うことも珍しくない。けれど自宅にいる時に増えた行動として「睡眠」を挙げている。(※2)
これから先、新しい生活様式に順応しなければなりません。睡眠時間が長いだけではなく、睡眠の質を良くすることがたいせつです。
参考;(※1)2018年6月21日 読売新聞「良質な睡眠が支える子どもの成長」
(※2)2020年4月29日 同紙「くらし 教育」
[文:健康わくわくサイト]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸
幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 〜 免疫検査を通しての患者様への想い 〜 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。