新聞「ニューヨークポスト」はサウジアラビアの王族関係者の証言を入手。150人以上の王族がすでに新型コロナウイルスに感染しているという。サウジアラビアには複数の王族の家系があり、推定15,000人の王族がいると報じられている。感染者の中にサウジアラビア国王サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズや、王族の1人で国防大臣のムハンマド・ビン・サルマーンも含まれていると関係者。2人とも現在は隔離生活を送っている。また王族の1人でリヤドの知事ファイサル・ビン・バンダル・アル・サウードも感染、現在集中治療室に入っている。国防大臣は30代と若いけれど、国王は80代、知事は70代と高齢であることから関係者は危機感を募らせているという。

王族を治療するキングファイサル専門病院では、今後王族の間でさらに感染が拡大すると予想しベッド500床を増やしている。また病院の医師は病院上層部から警告のメールが届いたと証言。そこには「何人の患者が来るかわからないが、これは非常事態だ」「慢性的な患者はただちに退院させて、これからは重体な患者のみ受け入れる」と書かれていたという。

関係者からは「下位の王族の大部分はすでに感染している」という証言も。現国王の息子のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は感染リスクを減らすために紅海近くにある別荘に避難しているという。普段からベールに包まれ内情が明らかにされないサウジアラビアの王族だけれど、こんなに感染が広がっていたことには驚きの声が上がっている。続報にも注目したい。

text: Yoko Nagasaka