数々の名手がつけてきたアルゼンチン代表の10番を背負うパラシオスは、その期待に恥じないだけのパフォーマンスを披露している。 (C) Getty Images

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 現在ブラジルで開催中のU-17ワールドカップでは、世界の原石たちが、その才能を遺憾なく発揮している。そんな欧州のメガクラブのスカウト陣も注目するこの大会で、飛びきりのゴラッソが誕生し、大きな話題を呼んでいる。

 現地時間11月2日に行なわれたグループEの最終節でタジキスタンと対戦したアルゼンチンは3-1で勝利した。

 アルゼンチンがグループ2位での決勝トーナメント進出を決めたこの一戦で、話題沸騰のゴラッソが生まれたのは、試合の趨勢が定まった89分のアルビセレステ(白色と空色の意。アルゼンチン代表の愛称)の3点目だ。

 右サイドからのボールを敵バイタルエリアの中央でもらったマティアス・パラシオスが、くるっとターンをしながらエリア内にパスを供給。これを受けたマティアス・ゴドイが相手DFをかわしてゴール左下隅へ流し込んだ。

 アルゼンチンのナンバー10を背負うパラシオスが、咄嗟の機転からやってのけたルーレットパスが呼び込んだゴラッソには、賛辞が相次いでいる。

 母国紙『Ole』は、「パラシオスが欧州のメガクラブが見つめる前で、魔法のアシストをやってのけた」と絶賛した。

「この試合でスタメンではなく、72分からピッチに立ったパラシオスだったが、観客の目を独占した。そして、ゴドイへの途方もなく贅沢なアシストは、アイマール(監督)を納得させるだけのレベルだった」

 かつてアルゼンチンの天才司令塔として活躍した指揮官からの期待に応えたパラシオスは、昨年9月に16歳ながら名門サン・ロレンソでプロデビューを飾っていた逸材である。それだけに、すでに欧州メガクラブの垂涎の的にもなっているようだ。『Ole』は、さらに次のように続けている。

「スペイン戦でもクロスバーに直撃するハーフコートからの鮮烈なシュートで注目を集めていたパラシオス。それだけにタジキスタン戦でバルセロナからの使者がいたのも偶然ではないはずだ。すでに今大会ではレアル・マドリーやそのほかのメガクラブからのスタッフが、彼に羨望の眼差しを送っている」

 世界からの注目を集めるゴラッソを呼び込んだマティアス・パラシオス。その名を覚えておいて損はないだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部