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JAFの会員数、年々増え続けている

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

損保各社の無料ロードサービスが充実する中、意外に思うかもしれないが、JAFの会員数は年々増えている。

最新のデータによると2019年2月末現在の会員数は1941万947人(個人/家族/法人会員の合計)。実に免許保有者の約4分の1にあたる。

ロードサービスの実施件数は横ばい。会員優待サービスの利用者数は2017年度5359万6387名に対し、2018年度は6852万1032名と大幅増。 出典:JAF

ロードサービスだけを考えるなら、自動車保険に無料で付帯されるロードサービスで充分ではないかと考える人も多いだろう。わざわざ年会費4000円(家族会員は2000円)を払う必要はない。

自動車保険に加入していれば無料のロードサービスが受けられるのにJAF会員数が年々増え続ける理由は何だろうか? JAF広報部に聞いてみた。

「ロードサービスはもちろんですが、その他のサービスを評価いただいたからだと思っております」

「ロードサービスの実施件数は横ばいですが、会員優待サービスの利用者数は2017年度5359万6387名に対し、2018年度は6852万1032名と大幅に増えています」

「また、シニアドライバーズスクールなどの各種講習会や地域や法人向けの講師派遣など。そういった活動を評価いただいたのでは、と考えています」

「もちろん、ロードサービスについても実施したアンケート調査では多くの方が『期待以上』と答えられており、引き続き評価いただいているものと考えています」(一般社団法人 日本自動車連盟広報部)

JAF会員数増加の理由は、ロードサービスの他、会員優待を中心としたロードサービス以外の活動が理由だったようだ。

実は筆者も30年近いJAF会員で、近年充実してきた会員優待を積極的に使う1人である。

損保は「クルマ」 JAFは「人」に掛かる

JAFと自動車保険のロードサービスには実に多くの違いがある。

ごく簡単に説明すると、
・自動車保険:契約している「車両」に掛かる
JAF:会員に掛かる(人に掛かる)

自動車保険:契約している「車両」に掛かる 。JAF:会員に掛かる(人に掛かる)

つまり、自動車保険のロードサービスは保険契約した車両にしか使えないが、JAFは友人や知人のクルマ、レンタカー、社用車でもOK。

会員自身が運転していなくても同乗していれば会員料金でサービスを受けられる。さらには、所有のオートバイ、原付に至るまで会員サービスが適用されるのだ。

対象となるクルマは、車両重量3t以下の自家用乗用車、事業用乗用自動車(法人タクシー、個人タクシーなど)、二輪自動車、さらには貨物車や特種車(2t積みトラック、キャンピングカーなど)に至るまで幅広い。

また、「燃料切れ」と「キー閉じ込み」のみの対応なら、車両重量3tを超える大型トラックや大型バスも対象となる。ただし、特殊車両は小型/大型問わず出動は不可とのこと。

家族会員制度の存在も大きい。

家族会員は個人会員1名につき5名まで入会できる。しかもこの「家族」は生計を1つにするならば同居しているかどうかは関係ない。単身赴任や大学進学などで一時的に別居していてもOKだ。

ただし、いずれの場合も会員料金でサービスを受けるには、救援依頼の時点で会員になっていることが条件となる。

かつては「その場で会員になればOK」だったが、今は救援依頼の時点で会員番号などを伝える必要がある。

もちろん、会員以外でも救援依頼には対応しているが、会員なら無料のところを1万5000円前後の出費になることも少なくない。

大規模な自然災害 JAF会員の数は急増

前述のJAF広報部によると、台風や洪水、大雪などクルマが立ち往生するような自然災害が起きるとJAFの会員数は急増する。

近年、日本では台風、豪雨、大雪などによってクルマが被害を受ける例が増えている。自然災害の発生とJAF会員数が比例しているのは、JAFが自然災害での救援にも対応しているからだ。

台風や洪水、大雪などクルマが立ち往生するような自然災害が起きるとJAFの会員数は急増する。

自動車保険のロードサービスはあくまでも、「突発的な交通事故と故障」にのみ対応しており、自然災害にはほぼどの保険会社も対応していない。(損保会社によっては条件次第で対応している場合もあるので正確には約款を参照のこと)

例えば、JAFは出動するが損保会社は原則として対応しないものには以下のようなトラブルがある。

・パンク修理
・雪道/泥道/砂浜などで走行困難な状態からの救援
・タイヤチェーンの着脱
・雪道、ぬかるみ、冠水などからの引き上げ ※冠水は水が引いた後の作業になる
・自然災害に起因した事故・故障

さらに、JAFのロードサービスの感心するところは、自然災害、事故、故障じゃない場合でも「予約をして」クルマを運んでくれることだ。

筆者も実際に体験したが、タイヤがパンクして自走不能となったため、整備工場まで通販で買ったタイヤ4本と共に積載車に載せて運んでもらったことがある。

JAFのロードサービスは都合の良い日に予約してクルマを指定場所まで運んでもらうこともできるのだ。

ただし、車検切れのクルマを整備工場や車検場まで運ぶことはできない。その場合は市区町村の役場で仮ナンバーを取得して運ぶことをお勧めする。

JAFの会員優待、絶対に使った方がいい

最後になったが、JAF会員が年々増えている大きな理由の1つ「会員優待サービス」について触れておきたい。

現在、約4万7000の施設(公式サイトJAFナビなどで検索可能)でJAFの会員優待を実施している。

JAF会員が年々増えている大きな理由の1つ「会員優待サービス」

高速道路のSA/PAではコーヒー無料だったり、ソフトクリーム割引だったり、からあげ1個無料など。

サンマルクでは持ち帰りパン1袋(4−5個入り)も無料サービスされる。

筆者が良く利用する「かんぽの宿」は、会員一人1泊あたり500円引き+グラスビールなども無料となる。

同行者も対象となるので、4人で2泊すれば500円×4人×2泊=4000円となり、それだけで年会費の回収が可能だ。

毎月会員宅に届くJAFMATE会員誌に同梱される「紙クーポン」も要チェック。ファミレスでの飲食やドラッグストアでの買い物が5-15%引きになるほか、宿泊施設の割引や無料サービスなど多種多様。

会員優待は日本国内にとどまらない。JAF会員証にはAAAのマークがあるがこれはアメリカ版JAFのような組織「AAA」(トリプルエー)のこと。

アメリカでは(クルマを利用しなくても)AAA会員と同様のサービスが受けられる。

ロードサービスの他、ホテルやレストランでの割引、駐車場無料などのサービスは本当にありがたい。

クルマで移動中に立ち寄ったアメリカとカナダの国境にある免税店でも全品2割引の恩恵を受けた。

もちろん、アメリカ以外にもヨーロッパやオーストラリアなど世界50か国で様々な優待がある。

レンタカーなどクルマを使う予定がなくてもJAF会員証は海外旅行に必携だ。