映画『パラレルワールド・ラブストーリー』レッドカーペットセレモニー&完成披露試写会が16日、都内・丸の内ピカデリーにて行われ、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、吉岡里帆、染谷将太、筒井道隆、美村里江、清水尋也、石田ニコル、田口トモロヲ、森義隆監督が登壇した。

多くのファンが詰めかけた会場で、幕が降りるとともに玉森、吉岡、染谷をはじめとした登壇者たちが登場すると、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。順番にレッドカーペットに降り立つと、あまりの至近距離にファンからは悲鳴にも似た歓声があがり、会場のボルテージはマックスに。“自撮りは苦手”という玉森が携帯を構え登壇者、ファンと自撮りに挑戦する一幕もありつつ、レッドカーペットを歩ききった。最後に「本当に皆さんの魂を込めた作品です。頭フル回転のミステリーを映画館で皆さんも一緒に楽しみながらご覧いただけたら」と玉森が締め、大盛り上がりのなかレッドカーペットセレモニーは幕を閉じた。

映画館に会場を移して行われた舞台挨拶は、客席のみならずマスコミ席も超満員でスタート。主人公の崇史は2つの世界に迷い込むなかで愛する麻由子が自分の恋人なのか、親友の智彦の恋人なのか、パラレルワールドを行き来しながら苦悩する難しい役だったこともあり、終始緊張感のあった現場だったという玉森。

撮影現場の思い出を聞かれると「基本ずっと緊張感のあった現場で、にこやかな空気ではなかったんですけれども、麻由子と思い出の写真を撮るシーンで大きい滑り台があったんですね。その滑り台で監督が一番楽しそうに遊んでいた姿を見たときに、僕の心は穏やかになりました」と撮影の思い出を振り返った。

パラレルワールドを行き来する役の役作りについては「自分には経験のないことですし、役作りも苦労しましたが、監督からもいっぱいアドバイスをいただいて現場に挑みました」と大きな覚悟をもって崇史を演じたことを明かした。2つの世界をつなぐ謎の女性・麻由子を演じる吉岡は撮影時を振り返り、「監督がドSすぎる…味わったことのないくらいストイックな現場でした」とこぼす。

森監督のドS演出が発揮されたエピソードを聞かれると「玉森さんが染谷さんとの大事なシーンで、鼻血を出されていて。追い込まれて出た鼻血だったのかな」という驚きの話題を披露し、玉森も「智彦とのすごく大事なシーンで自分も熱が上がり過ぎちゃったのか、鼻血が垂れてきて…」と当時の様子を振り返ると、すかさず森監督は「暴力はなかったですよ」と補足し、会場に笑いが広がった。

玉森と緊迫のシーンを演じた智彦役の染谷は、緊迫した現場中は「お弁当を選ぶ時だけ(玉森と吉岡の)笑みがこぼれるのが、唯一の心の救いでした」と言いつつも、撮影中は「玉森くんと一緒にいる時間が長かったので、お弁当も一緒に食べていたけど、なぜか会話もなく食べていましたね」というエピソードを披露。「なんでだろうね?」と玉森とお互い不思議がっていたが、その実態は違和感なく、長年連れ添った親友のように自然と会話がない雰囲気だったからのようだ。

メイン3人が緊迫した現場に追い込まれている一方、崇史の通う研究所の教官・小山内を演じた筒井や、崇史の先輩・景子役で出演した美村は「まさか主演俳優が鼻血を出すほど追い込まれた現場だったとは…」と驚きが隠せない様子。自らは楽しく現場に臨んでいたという美村は初めて脚本を読んだ際に「これは大変な設計図の映画になるという印象でした。まず複雑な原作を脚本に起こす苦労があって、それを撮影している最中の俳優の苦労があって、編集でももうひと勝負!という、これはチーム全体が一致団結しないと大変な現場だな」と感じたという。

崇史と智彦の後輩・篠崎を演じた清水は現場入りした際に「こんなぴりっとした大人の雰囲気の現場と知らなくて…落ち着いたストイックな現場だったので、『ああ、そう言う感じね』と思って、僕もそういう雰囲気を出していました」と登壇者最年少19歳のコメントに会場はあたたかい笑いに包まれた。

崇史の友人・夏江を演じた石田は「緊迫した雰囲気の現場で明るい夏江を維持するのがちょっと大変でした」と、本作唯一の陽気な人物ともいえる夏江ならではの苦労を語った。一方シリアスなシーンの多かった崇史と智彦の上司・須藤役の田口は「玉森さんは緊張し過ぎて鼻血を出してらっしゃいましたけど、僕は緊張し過ぎてお腹を壊してやばかったです」とこちらもストイックな現場の影響が出ていたことを明かしながらも「その現場のいい緊張感は作品にみなぎっています」と自信をのぞかせた。

ここまで現場の雰囲気が話すキャストによってストイックとほっこりと別れているのは「映画を見てもらえればその謎はわかります」と語る森監督。改めて8名のキャストが揃ったことで「キャスティングがうまくいったなと改めて感じます。各々マイペースな雰囲気の俳優が揃って、交わるようで交わらないパラレルワールドのようなキャスティングですよね」と振り返りつつ、主演の玉森については「僕は今回“映画俳優・玉森裕太”を生み出す気持ちでこの作品に臨んでいたし、彼が誕生しないとこの映画は成功しないと思っていました」と多大な期待を寄せていたことを明かす。「でも、その期待に応えてくれた”映画俳優・玉森裕太”がこの映画では見られるのでぜひご覧ください」とコメントした。

また、本作のタイトルにちなんで「自分が迷い込んでもいいなというパラレルワールドは?」という質問が振られると、玉森の出した答えは「ずーっと晴れの日」というなんともほっこりした世界、染谷は「体力がなくならない世界。あと台本を読んだら一瞬で覚えられる世界」とお茶目な一面を見せた。そして最後に、ミステリー映画である本作にちなみ登壇者全員で謎解きに挑戦!当然の出題に微動だにせず考える登壇者たちだったが、玉森がしっかりと正解を導き出し、最後に「この『パラレルワールド・ラブストーリー』は全員で魂を込めた作品で、自信を持って皆さんにお届けできます。頭フル回転のミステリーに楽しみながら挑戦していただきたいと思います!」とコメントし舞台挨拶を締めくくった。

映画『パラレルワールド・ラブストーリー』は5月31日(金)より全国公開

(C)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会 (C)東野圭吾/講談社

映画ランドNEWS - 映画を観に行くなら映画ランド