iPhoneやiPadといったiOS端末のほか、macOSにも搭載されているApple純正の通話アプリFaceTime」で、相手が電話に出る前に相手の音声が聞こえてしまうというバグが発見され、その方法がSNS上を中心に拡散されています。

Major iPhone FaceTime bug lets you hear the audio of the person you are calling ... before they pick up - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2019/01/28/facetime-bug-hear-audio/

FaceTimeを使って電話をかけると、相手が着信に出るもしくは拒否するまでの間、相手の端末が拾う音声を聞くことが可能となるというバグが発見されました。当然のことながらFaceTimeで通話を受ける側は着信音が鳴りますが、着信に応答しなくても相手の音声を秘密裏に聞くことが可能となってしまうため、プライバシー問題を引き起こす可能性が高いと注意喚起されています。

Apple関連のニュースを報じる9to5Macは、FaceTimeのバグを「iPhone XからiPhone XRに電話をかける」ことで再現することに成功しています。9to5Macによると、バグはiOS 12.1以降を搭載しているiOS端末間でFaceTimeのビデオ通話を使用すると起きるもので、バグを起こせば「相手が通話に出る」もしくは「相手が通話を拒否する」までの間、相手の端末が拾う音声を聞くことが可能になるとのこと。FaceTimeのビデオ通話では、相手から一定時間応答がないと呼び出しが停止しますが、それまでの間一方的に相手の音声を聞くことも可能になります。

FaceTimeで通話前に音声が聞こえるバグを引き起こす手順は以下の通り。

1:iPhoneの連絡先から通話相手を選択し、「FaceTime」を選択



2:呼び出し画面になったら、画面下部の赤枠部分を上方向にスワイプして……



FaceTimeの通話メンバーに別ユーザーを追加するための「参加者を追加」をタップ。



3:参加者を追加画面の「宛先」に、自分の電話番号を入力



4:FaceTimeのビデオ通話グループに自分を追加



すると以下のムービーのように相手が電話に出る前の状態であっても、相手の端末が拾う音声が聞こえるようになってしまいます。



このバグを利用すればiPhoneユーザーが別の通話中であっても音を聞くことが可能となってしまうそうです。また、FaceTimeの着信時に電源ボタンを押して通話を切ろうとしても、ビデオ通話の映像は相手側に送信された状態のままになるため、1度通話に出てから切るか、FaceTime自体を無効にする以外に方法はないそうです。その他、MacからFaceTimeを使用すると、iPhoneを使う場合よりも呼び出し時間が長くなるため、より長く相手側の音声を盗み聞きすることができるようになるとのことです。

FaceTimeで通話前に音声が聞こえるバグが起こらないようにするには、記事作成時点では「FaceTimeを無効にする」以外の有効な手段は見つかっていません。FaceTimeを無効にするには、「設定」→「FaceTime」の順にタップし、赤枠部分をタップすればOKです。



なお、BuzzFeed NewsがAppleに確認したこところ、「今週末のソフトウェアアップデートで修正する」との返答があったそうです。