iPhoneが充電できない! よくある質問トップ5
説明書を読まなくても使えてしまうほど直感的なiPhoneですが、あいまいな理解のまま使い続けてしまう部分も少なくありません。ここでは、2013年1月以来連日のように掲載されてきた「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」の過去記事を分析し、アクセス数やSNSでの投稿をもとに得点化したジャンルごとのトップ5を紹介、解説します。2回目となる今回のテーマは「充電に関するトラブル」です。
○第5位:充電しているとiPhoneがかなり熱くなりますが、だいじょうぶ?
確かに、充電中のiPhoneはふだんより熱を持つことがあります。IT機器の安全について規定する国際規格(Safety of Information Technology Equipment、IEC 60950-1)を満たすよう設計されているため、周囲の温度が0度から35度の範囲で使用するかぎり正常に動作しますが、触れたとき明らかにそれを超えていると不安になりますよね。
スマートフォン対応充電器の多くには過電流・過電圧保護機能が搭載されていることもあり、一時的な発熱自体は問題ありません。特に「Made for iPhone(MFi)」認定ロゴが入った製品、つまりApple純正品またはMFi認定製品は厳しい基準のもと設計/製造されているため、安心できます。MFiロゴは、充電器(バッテリーやAC-USBアダプタ)とLightningケーブルの両方で必要です。
ただし、iPhoneが膨らんでいるなどバッテリーの劣化が明らかな場合、充電時の発熱はかなり危険です。爆発や火災の原因になりかねませんから、できるだけ早くバッテリーを交換しましょう。
○第4位:大至急iPhoneを充電したいんです!
iPhoneを急いで充電したいとき、ありますよね。バッテリーが残り少ないことに気付いたのは家を出る10分前、これではフル充電は到底間に合わないけれど、どこまでバッテリー残量を増やせる? といったところでしょうか。電力がなければiPhoneは役に立ちませんから、充電速度に関する問題も広い意味での充電関連トラブルに数えてよさそうです。
そんな突然の事態ですから、充電器やケーブルの見直しなど抜本的な解決策を講じる猶予はありません。いま目の前のあるものでどこまでできるか、どうすれば充電の効率をよくできるかがポイントです。
もっとも効率的な方法は、「充電した状態で(Lightningケーブルを挿したまま)iPhoneの電源をオフにすること」です。すべての電力をバッテリーに集中できるため、ムダがありません。しかし、スリープ(サイド)ボタンを押せばシステムが起動してしまいます。誤って電源オフしたあとにLightningケーブルを接続してもシステムが起動してしまうので、急いでいるときには適しません。
そこで利用したいのが「機内モード」の活用です。通信関連機能はそれなりの電力を消費しますから、機内モードをオンにして通信関連機能を無効化したうえで、iPhoneをスリープさせ(ディスプレイを消灯)、充電を行おうというわけです。バッテリー残量が乏しいとき(急速充電モードのとき)であれば、10分程度でも結構な量を充電できますよ。
○第3位:格安だったLightningケーブル、充電が遅いような気がします!?
iPhoneの充電では、片方がUSB A端子でもう片方がLightning端子のケーブル(以下、Lightningケーブル)を利用しますが、どのケーブルも同じわけではありません。iPhoneに付属のLightningケーブル、または製品パッケージに「Made for iPhone(MFi)」ロゴの記載があるサードパーティー製Lightningケーブルであれば、同一仕様で共通動作と推定できますが、現実としてそうでない製品も流通しています。
具体的には、百均ショップやオンラインストアで販売されているMFiロゴのない格安のLightning形状互換ケーブルです。一見端子は同じように見えますが、MFiの基準を完全に満たす仕様とは限りません。MFi認定のない製品は扱える電流がMFi基準に達しないものがあるようで、その場合充電速度が遅くなります(電圧が同じ場合アンペア数の大きいほうが高速に充電できる)。
流通しているすべての製品を検証したわけではありませんが、MFiロゴのあるLightningケーブルはほぼ1アンペアですが、MFiロゴのない形状互換ケーブルは1アンペアに満たないものが散見されます。MFi未取得の製品で充電できる(電気的に互換性がある)としても、性能/品質がMFi基準に到達しているかはまた別の話、というわけです。
○第2位:接続先によってiPhoneの充電時間が異なるのはなぜ?
この記事にも多くのアクセスがありましたが、公開から5年以上の年月が経過しているため、内容のアップデートが必要です。記事中では、5V/0.7A以上の電流を入力することを急速充電としていますが、2018年では「Quick Charge 1.0」の10W(5V/2A)を超える水準を急速充電ということが一般的です。後半の「iPhone内部では5V/0.7A以上の電流が流れないよう管理が行われている」という部分も、iPhone 6s Plus以降のモデルでは、5V/2A以上の電流を入力できるよう進化しています。
しかし、充電時間に関する考えかたは変わりません。バッテリーを充電するための電力(ワット/W)は、電圧(ボルト/V)×電流(アンペア/A)で求められ、ワット数は大きいほうが充電速度では有利です。
LightningケーブルをどのUSBポートに接続するかによって充電速度に差が出ることも変わりません。iPhoneに付属のAC-USBアダプタに挿すか、パソコンのUSBポートに挿すか、適当な家電製品のUSBポートに挿すかで満充電に到達する時間は異なる場合があるのです。
たとえば、iPhoneに付属のAC-USBアダプタは最大1アンペアですが、iPad用充電アダプタ(10W/12W/18W)は2アンペア以上です。現行のMacにも、iPhone/iPadが接続されたUSBポートのみ最大2.1アンペアまで出力を高めるしくみが用意されています。一方、一般的な家電や少し前のパソコンのUSBポートは(USB 2.0で標準の)0.5アンペアしか出ないものがよくあります。充電時間に差が生じるのも道理です。
○第1位:iPhoneの充電が不安定です!?
充電関連トラブルでもっともアクセス数の多かったテーマが、ときどき充電が途切れる、端子を接続してもなかなか充電が始まらないなどの"不安定さ"です。原因はいくつかありますが、煎じ詰めればLightning端子の汚れや断線、あるいはLightningポート(iPhone側の差し込み口)の汚れからくる接触不良です。
Lightning端子の接点部分はむき出しになっており、汚れが付着すると接触不良を起こす可能性があります。ときどきはエタノール系の液体で湿らせた布で拭くなど、メンテナンスしましょう。
Lightningポートは、端子の抜き差しに接するぶんホコリや糸くずが蓄積されやすく、意外なほど汚れています。とはいえ、いきなり湿らせた布や綿棒を押し込むとかえって汚れを取り除きにくくなることがあります。内部に細かいゴミが入り込むと故障の原因になるため、エアダスターのような空気を吹き付ける機器の使用は控えましょう。
ケーブルにも注意が必要です。Lightningケーブルの被覆は繰り返し曲げると劣化しやすく、それが接触不良につながります。特に端子の根元部分は破けやすいため鋭角に曲げることは避け、できるだけ直線に近い形で使いましょう。
○第5位:充電しているとiPhoneがかなり熱くなりますが、だいじょうぶ?
スマートフォン対応充電器の多くには過電流・過電圧保護機能が搭載されていることもあり、一時的な発熱自体は問題ありません。特に「Made for iPhone(MFi)」認定ロゴが入った製品、つまりApple純正品またはMFi認定製品は厳しい基準のもと設計/製造されているため、安心できます。MFiロゴは、充電器(バッテリーやAC-USBアダプタ)とLightningケーブルの両方で必要です。
ただし、iPhoneが膨らんでいるなどバッテリーの劣化が明らかな場合、充電時の発熱はかなり危険です。爆発や火災の原因になりかねませんから、できるだけ早くバッテリーを交換しましょう。
○第4位:大至急iPhoneを充電したいんです!
iPhoneを急いで充電したいとき、ありますよね。バッテリーが残り少ないことに気付いたのは家を出る10分前、これではフル充電は到底間に合わないけれど、どこまでバッテリー残量を増やせる? といったところでしょうか。電力がなければiPhoneは役に立ちませんから、充電速度に関する問題も広い意味での充電関連トラブルに数えてよさそうです。
そんな突然の事態ですから、充電器やケーブルの見直しなど抜本的な解決策を講じる猶予はありません。いま目の前のあるものでどこまでできるか、どうすれば充電の効率をよくできるかがポイントです。
もっとも効率的な方法は、「充電した状態で(Lightningケーブルを挿したまま)iPhoneの電源をオフにすること」です。すべての電力をバッテリーに集中できるため、ムダがありません。しかし、スリープ(サイド)ボタンを押せばシステムが起動してしまいます。誤って電源オフしたあとにLightningケーブルを接続してもシステムが起動してしまうので、急いでいるときには適しません。
そこで利用したいのが「機内モード」の活用です。通信関連機能はそれなりの電力を消費しますから、機内モードをオンにして通信関連機能を無効化したうえで、iPhoneをスリープさせ(ディスプレイを消灯)、充電を行おうというわけです。バッテリー残量が乏しいとき(急速充電モードのとき)であれば、10分程度でも結構な量を充電できますよ。
○第3位:格安だったLightningケーブル、充電が遅いような気がします!?
iPhoneの充電では、片方がUSB A端子でもう片方がLightning端子のケーブル(以下、Lightningケーブル)を利用しますが、どのケーブルも同じわけではありません。iPhoneに付属のLightningケーブル、または製品パッケージに「Made for iPhone(MFi)」ロゴの記載があるサードパーティー製Lightningケーブルであれば、同一仕様で共通動作と推定できますが、現実としてそうでない製品も流通しています。
具体的には、百均ショップやオンラインストアで販売されているMFiロゴのない格安のLightning形状互換ケーブルです。一見端子は同じように見えますが、MFiの基準を完全に満たす仕様とは限りません。MFi認定のない製品は扱える電流がMFi基準に達しないものがあるようで、その場合充電速度が遅くなります(電圧が同じ場合アンペア数の大きいほうが高速に充電できる)。
流通しているすべての製品を検証したわけではありませんが、MFiロゴのあるLightningケーブルはほぼ1アンペアですが、MFiロゴのない形状互換ケーブルは1アンペアに満たないものが散見されます。MFi未取得の製品で充電できる(電気的に互換性がある)としても、性能/品質がMFi基準に到達しているかはまた別の話、というわけです。
○第2位:接続先によってiPhoneの充電時間が異なるのはなぜ?
この記事にも多くのアクセスがありましたが、公開から5年以上の年月が経過しているため、内容のアップデートが必要です。記事中では、5V/0.7A以上の電流を入力することを急速充電としていますが、2018年では「Quick Charge 1.0」の10W(5V/2A)を超える水準を急速充電ということが一般的です。後半の「iPhone内部では5V/0.7A以上の電流が流れないよう管理が行われている」という部分も、iPhone 6s Plus以降のモデルでは、5V/2A以上の電流を入力できるよう進化しています。
しかし、充電時間に関する考えかたは変わりません。バッテリーを充電するための電力(ワット/W)は、電圧(ボルト/V)×電流(アンペア/A)で求められ、ワット数は大きいほうが充電速度では有利です。
LightningケーブルをどのUSBポートに接続するかによって充電速度に差が出ることも変わりません。iPhoneに付属のAC-USBアダプタに挿すか、パソコンのUSBポートに挿すか、適当な家電製品のUSBポートに挿すかで満充電に到達する時間は異なる場合があるのです。
たとえば、iPhoneに付属のAC-USBアダプタは最大1アンペアですが、iPad用充電アダプタ(10W/12W/18W)は2アンペア以上です。現行のMacにも、iPhone/iPadが接続されたUSBポートのみ最大2.1アンペアまで出力を高めるしくみが用意されています。一方、一般的な家電や少し前のパソコンのUSBポートは(USB 2.0で標準の)0.5アンペアしか出ないものがよくあります。充電時間に差が生じるのも道理です。
○第1位:iPhoneの充電が不安定です!?
充電関連トラブルでもっともアクセス数の多かったテーマが、ときどき充電が途切れる、端子を接続してもなかなか充電が始まらないなどの"不安定さ"です。原因はいくつかありますが、煎じ詰めればLightning端子の汚れや断線、あるいはLightningポート(iPhone側の差し込み口)の汚れからくる接触不良です。
Lightning端子の接点部分はむき出しになっており、汚れが付着すると接触不良を起こす可能性があります。ときどきはエタノール系の液体で湿らせた布で拭くなど、メンテナンスしましょう。
Lightningポートは、端子の抜き差しに接するぶんホコリや糸くずが蓄積されやすく、意外なほど汚れています。とはいえ、いきなり湿らせた布や綿棒を押し込むとかえって汚れを取り除きにくくなることがあります。内部に細かいゴミが入り込むと故障の原因になるため、エアダスターのような空気を吹き付ける機器の使用は控えましょう。
ケーブルにも注意が必要です。Lightningケーブルの被覆は繰り返し曲げると劣化しやすく、それが接触不良につながります。特に端子の根元部分は破けやすいため鋭角に曲げることは避け、できるだけ直線に近い形で使いましょう。