「メロン」といえばどーこだ! 収穫量1位は「夕張メロン」の北海道!でなくて......?
「メロンのブランド」と言われて浮かぶのは、「夕張メロン」や、「ふらのメロン」、「とままえメロン」......と、北海道のイメージが強くあるだろう。
そのためか、メロンの収穫量も北海道がトップ、と思っている人も少なくないかもしれないが、実は1位に君臨しているのは、まさかまさかの――茨城県なのである!
メロンと言えば茨城!とならないのが悲しい(画像はイバラキング・茨城県提供)
なぜこうも知名度が低いのかを聞いてみた
農林水産省による2016年の作物統計調査を見ると、メロンの収穫量について、ランキングは以下のようになっている。
1位 茨城県 4万1600トン
2位 北海道 2万4700トン
3位 熊本県 2万1600トン
4位 山形県 1万1000トン
5位 青森県 1万400トン
メロンと言われてピンとくるのが北海道。メロン型のドームで知られる道の駅「七城メロンドーム」を擁する熊本県も思い浮かぶ。
これら道県に比べて、2倍弱の生産量を誇っている茨城県。茨城県の公式サイトを見ると、オリジナル品種の「イバラキング」や「アンデスメロン」、赤肉の「クインシーメロン」など、様々な品種のメロンを生産していることがわかる。
しかし、なぜメロンのイメージがついていないのだろうか。Jタウンネット編集部が、2018年5月29日に茨城県に取材したところ、
「いま、メロンのブランド化は課題なんです」
開口一番、そう答えたのは同県営業戦略部販売流通課の担当者だ。
茨城県は、温暖な気候と、関東ローム層による肥沃な土壌があることから、多くの農産物が育つ。メロンも同様で、温室ではなくビニールハウスで多く収穫され、安く、かつ大量の商品が流通している。東京に流通しているものを見ても、3個に2個は茨城県産のメロンだという。
「『茨城県産のメロン』として大量に出回っているぶん、逆に北海道の『夕張メロン』などと比べ、高級感が生まれにくいんです」
と嘆いた。
そのうえで、
「いま、茨城県ではオリジナルの『イバラキング』というメロンをトップブランドとしてPRを図りたいと考えています」
と語る。メロンの収穫量が増える5月から6月ごろの時期を「ハッピーメロンシーズン」と題してキャンペーンを実施しているといい、銀座で「イバラキング」を無料配布したり、茨城県知事自ら売り込むなど、積極的に活動しているとし、
「実際、贈答品として百貨店に置かれるようになり、徐々に認知度は高まっていると考えています」
と続けた。
今後については、
「『イバラキング』のブランド化がうまくいく中で、『茨城=メロン』のイメージを持っていただけたらと思います。そのうえでさらに、他の茨城県産メロンの知名度も上がっていけばと考えています」
と展望を語った。