ジェジュン 撮影/廣瀬靖士

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 約2年ぶりとなるジェジュン(31)主演の連続ドラマ放送が、ついに始まる。これまで、作品の中ではあまり見ることのなかったコミカルな姿も披露している今ドラマ。誰よりも撮影現場にいたというほど、全力で臨んだドラマのこと、そして、最近興味を持っていることなど、いまの彼をたっぷりご紹介!

ジェジュンの美しい撮り下ろしショット&ドラマ写真!【全17枚】

 少し肌寒さを感じる9月下旬の韓国。昨年12月30日の除隊から、初の復帰作となる主演・連続ドラマ『マンホール〜不思議な国のピル〜(原題)』の撮影が佳境に入る中、本誌初となるジェジュンの取材が実現した。

 ドラマの撮影中、手をケガしたことについて「そのとき、ものすごくつらかったのは痛みではなく、自分のケガのせいで撮影が延期されるんじゃないかということ」と語ったジェジュン。

 この日の撮影でソファに腰かけてもらったとき、安定性が悪く、一瞬、前のめりになった彼。“大丈夫ですか?”と声をかけると、「大丈夫です」と心配させたことが申し訳ないという表情を向けられたことが印象的だった。そして、モニターに映る1カット、1カットのどれもが息をのむほど素敵だったことも。

 その後、おこなわれたインタビューは、すべて日本語で。最初は、ちょっと控えめに、こちらの様子を見守るように。すぐに、心地よい距離感で、ときに冗談を交えながら、ユーモアたっぷりに話してくれた。

「日本のみなさんもドラマをご覧になっていただける、そのこと自体が、まずうれしいんです。待っていてくださる方がいるから、日本でも放送されることになったと思うので。みなさんからの声援とパワーをもらいながら、感謝の気持ちで一生懸命、撮影を頑張っています」

 約2年ぶりに俳優としてのジェジュンを見ることができる今作。どんなところに惹かれ、出演を決めたのかを聞くと、

「いろいろな作品を検討しました。その中で、タイムスリップしていろいろな姿に変わる様子をお見せできること。

 そして、変わった姿で感情表現をしていく……、なにかひとつのキャラクターに限定されず、さまざまな人物を演じることができる点に期待して今作を選びました」

 ジェジュンが演じるフリーターのポン・ピルは、28年もの間、片思いし続ける幼なじみのスジンが結婚すると聞き、なんとか結婚を阻止しようと行動を起こす。

 その矢先、偶然、マンホールに落ちたことで、なんと1週間前にタイムスリップしてしまう。それ以降、本人が思いもしないところへタイムスリップを繰り返し、そのたびにピル本人にも変化が起こる。

「いろいろなジャンルが組み合わさった、ファンタジー・コミック・アドベンチャー作品なんです。タイムスリップするたびに、ピルがどこにどんなキャラクターで現れるのかわからないところが、このドラマのポイント。

 ピル以外のキャラも、タイムスリップしたタイミングによって、年齢も職業も性格も変わる。最初は、現実でも起こりそうな感じなんですけど、どんどん展開が加速していって……。どうなるのか先が読めない作品ですね」

結婚式の予行練習は、したくないです(笑)

 想像を超えたストーリーが繰り広げられ、1度見たらクセになる今作。見どころのひとつを挙げるとすれば、ジェジュンがさまざまな職業のキャラを演じること。ヤクザ、医師、警備員、高校生……、どの服装が自分ではいちばん気に入っているかを聞くと、

「着ていて楽だった、ジャージかな(笑)。ぜんぜん気を遣わなくていいし、上下1枚ずつだから、すごく着替えやすかった。でも、プライベートでは着ないですよ。だって、今回着たジャージは、カッコいいものもありますけど、そうじゃないほうだったから(笑)。ちょっと、家の中でも着ないかな……」

 彼の口からは出なかったが、気になったのが結婚式のシーンでのタキシード姿。

「それって、邪魔するときですか? あぁ、ピルが挙式をするときですね。ほんの一瞬のシーンだったし、まだ、結婚したいとも思っていないから、ワクワクする感じではなかったです。ただ“いつか結婚したら、こんな気持ちになるんだな”って。目の前に知り合いとか、お互いの両親が座っている場面を想像すると、やっぱりちょっと緊張するじゃないですか」

 いつかの練習ができましたねと、伝えると、

「男性の服装って、女性と違ってタキシードもスーツもそんなに変わらない(笑)。それに、べつに予行練習はしたくないですけどね(笑)」

ジェジュンが感じた、役柄との共通点とは

 感情の消耗も激しく、肉体的にも大変だったというピルという役柄。ジェジュンとの共通点はあるのだろうか?

「違うところはとても多いんです……。僕は、彼ほど人に対する思いがまっすぐではないですね。そのときによって、大きく揺れてしまうことがあるので。似ているのは、瞬間的に対処して、行動できること。

 例えば、誰かがすごく親しそうに“ジェジュン〜!”と、挨拶してくるとします。0,1秒くらいの短い時間で“どなたですか?”というべきか、“お久しぶりです”というべきか考えて返事をするんです。

 80パーセントは“お久しぶりです”と挨拶するんですけど。正直、“知りません”よりうれしそうに挨拶したほうがいいと思いませんか(笑)?

 ピルと似ているのは、そういう前向きな部分。彼の魅力って“直進”するところなんです。決して、後退はしない。

 そこまでしなくちゃいけないの? と思うくらい突き進んでいく。だからこそ、ピルとスジンがハッピーエンドで終わってくれたらいいなと思います」

 愛情を込めて語る。ほかの人に接する態度はちょっぴりいい加減だが、スジンへの愛に関しては、やはり“まっすぐ”で献身的だと言うピル。ジェジュン自身は?

「もし、僕がピルと同じ状況になったら、彼女への思いをあきらめるでしょうね。結婚する彼女の幸せを願って。もし、結婚まで進んでいない、恋愛中の状態なら、直接、彼女になにかをするんじゃなくて、一生懸命にカッコよく生きている姿をなにかの機会に見てもらって、もう1度僕という存在を認識してもらいます。そうしたら、距離が近づくチャンスが来るかもしれないから」

 相手のことをいちばんに思う。芸能界の中でも、友人が多いと知られている彼。その理由が、わかる気がした。

「とにかく、夢中で今回の撮影に臨みました。軍隊に行ったとき、いつも思っていたのは“無我夢中で仕事をしたい”ということ。そういう意味で、願っていたことが実現したドラマになりました」

 記憶に残る作品が、またひとつ増えた。これまでも、アーティスト、俳優、デザイナー……、さまざまなジャンルで彼らしい作品を残し続けている。今後について

「以前は、前に進むこと、自分を育てること、もっと大きくなりたいということばかりを考えていた。いまは、いろいろなことを吸収するキャパシティーというか、自分の心の空間を少しずつ広げるためになにかしてみたいと考えています」

 と語ったジェジュン。次に会うときには、さらに大きな羽ばたきを見せてくれるはずだ。

タイムスリップできるなら?

「未来には行きたくないですね。この先の日々がどうなるか気になるから、今を生きているので。もし、どうなるか知ってしまったら、死んでしまってもいいかなって(笑)。だって、つまらないですよ! 過去にタイムトラベルするなら……、1〜2年前に戻るのがいいかな。でも、いますぐはイヤです。だって、軍隊にもう1度行かなくちゃいけなくなっちゃうから(笑)。戻りたいと思う過去は、自分が記憶している最短距離のところ。こんな失敗をしちゃいけなかったなと思う部分を修正しながら、現在に戻ってこれたらいいなと思います」

今後の活動は?

「ファンミーティングツアーがあります。前回のツアーでお会いできなかったみなさんにご挨拶できる機会ですから、日本にも伺いたいと思っています。それ以外にも、計画中のことがありますから!」

共演のバロくんに、誕生日プレゼントを贈ったそうですね

「バロくんの誕生日の日は、深夜まで撮影だったんです。しかも、幼なじみの女性でジンスクの誕生日会をするシーンの!! 彼が本当にかわいそうで。次の日にいろいろと考えてプレゼントを贈りました。バロくんってファンが多いから、プレゼントをたくさんもらうんじゃないかと思って、一緒に住んでいるご家族と使えるものを。なにをプレゼントしたか、忘れちゃったな……(バロくんより「自転車、炊飯器、ザイグル(煙を出さずに卓上で調理できるプレート)、フライパン」)」

バロくんが、ジェジュンさんとプライベートで行くなら
ハワイと言っていました

「バロくんが? 本当に? 僕は、ちょっと……(笑)。だって、プライベートで、まだ1回しか遊んだことないんですよ。それも、僕の家でふつうに家飲みしたくらい。ワイキキは、仕事で1回行ったことがありますが、個人的には、まだないんです。プライベートの初ワイキキは大切な思い出にしたいから、もっと大事な人と行きたい(笑)、家族のような。この気持ち、わかりますよね? バロくんと行くなら、もっと仲よくなってからじゃないと(笑)」

最近、ハマっていることは?

「写真です。ちょっと撮ってみて“才能ないな”と思ったら、やる気がなくなるじゃないですか。でも、何枚か撮ってみたら“あれ! 才能があるんじゃない”と思っちゃって(笑)。そう思ったら面白くなってきて、もっとやってみたい!! って。趣味の範囲ではなく、本格的に。

 実は、韓国のテレビ番組の企画でファッション誌のVOGUE KOREAに僕が撮った写真が載るんです。だから、ちゃんとした写真を撮りたいっていうプレッシャーもあって。いまは、時間があると、写真の練習をしています。(インスタグラムに投稿しているような)スマートフォンで撮影するのとは、まったく違います。(本誌のカメラマンに向けて)そうですよね? ほら、まったく別物です!!

 いまのスマホの待ち受け画面は、3年間かわってないな。ロシア出身のフォトグラファーで。オレグ・ドウの作品。フォトショップという画像編集ソフトで、人の顔の写真にミッキーマウスの耳のようなものをつけているように加工したもの。自宅に、オリジナル作品があるんです」

<出演情報>
『マンホール〜不思議な国のピル〜(原題)』(全16話)
CSチャンネル 衛星劇場にて日本初放送!
11月14日(火)より毎週火曜、夜11時〜(2話連続)ほか
詳細は http://www.eigeki.com/