民放連ドラ初主演の木村多江。(c)日本テレビ

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元文春エース記者が監修する“今どき”スキャンダル

 黒ずくめの衣装に真っ赤な口紅。髪を25センチもバッサリと切り、民放連ドラ初主演の木村多江が、プラチナイト 木曜ドラマ『ブラックリベンジ』(日本テレビ系 木曜 夜11時59分〜)で復讐に燃える女性を熱演中。

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 薄幸な女性を多く演じてきたが、今作のヒロイン・今宮沙織役で、新境地を見せている。

 沙織の夫(高橋光臣)は、5年前、ねつ造スキャンダルによって、自らの命を絶った。そのショックで沙織は流産。幸せな家庭を失った。身も心も傷ついた沙織を立ち直らせたのは、復讐心だった。そして、夫のねつ造スキャンダルを報じた、週刊誌「週刊星流」の契約ライターに。“地獄の底に叩き落とす”と固く誓い、ねつ造に関わった人物たちのスキャンダルを暴き、社会的に葬っていった。

「沙織は、個人的な理由による復讐で、悪を成敗する正義の味方ではありません。復讐のために闘う強い女性ですが、心には悲しみをたたえています。復讐によって周りの人たちを不幸にするし、自らも傷ついていくという面もあります。奥行きのある沙織役を、多江さんは想像以上の怖さ、迫力で演じてくださっています」

 と、福田浩之プロデューサー。

 スキャンダルによる復讐劇を描くにあたっては、“今っぽさ”を大切にしたという。

「復讐劇自体は、昔からありました。例えば、浮気された妻は以前なら、相手のところに乗り込んでケンカをした。でも今は、週刊誌にリークして、スキャンダル記事にして世間に晒(さら)す、という手段があるんです。こうした今のスキャンダル事情もふまえ、設定やセリフを考えています」(福田P、以下同)

 相手を追いつめたときの沙織の決めゼリフ“骨の髄まで炎上しなさい”や、第4話(10月26日放送)では“このハゲーッ”と暴言セリフが登場するのは、まさに今風。

 監修は、元『週刊文春』のエース記者・中村竜太郎さんが担当し、劇中で繰り広げられるスキャンダルにはリアリティーがある。

「ドラマ以上に、実際はもっと生々しいそうです(笑)。中村さんは、現場に来られて、俳優さんと和やかに話していますが、クランクアップ後の打ち上げを楽しみにしているようです。記者時代は、外野で取材していたことが、参加できますからね(笑)。中村さんのような記者に“追われる”立場の俳優陣は、ドラマでの“追う”立場を楽しみながら演じています」

復讐劇“第2幕”でゲス編集長、快演

 原作のないオリジナル作で、先の展開は、俳優陣の芝居を見ながら作っているという。

「エンディングのために帳尻合わせをしたり、逆算で脚本を作りたくなかったんです。多江さんはじめ、役者さんが演じるそれぞれのキャラクターの成長に沿って、進めています」

 夫を死に追いやったターゲットへの復讐を果たした沙織。しかし実は、黒幕が「週刊星流」編集長の福島(佐藤二朗)と知り、復讐“第2幕”が始まった。

 第6話(11月9日放送)では、福島の告発記事を掲載しようとするも、差し替えられてしまう。しかも、その記事には、沙織にとって衝撃的な事実が記されているというもので──。

「キャッチコピーの“登場人物、全員「ゲス」”のとおり、沙織の周りの人物は、それぞれ今までと違う顔を見せていきます。

 福島を演じる佐藤さんは、コメディータッチの役どころが多いですが、今回は、ご本人の希望もあって、悪役を想像以上のゲスさで演じています(笑)」

 公式サイトやSNSの内容の充実ぶりが話題になっている今作だが、はたして沙織の復讐は完了するのか?

「つい先日、ラストが決まったところです。撮影が進むにつれ、僕や監督、多江さんも、沙織への思い入れが強くなってきて、それぞれに“こうなってほしい”という願望が出てきたんです。みんなの思いを酌み取ったラストにするのは、思いのほか苦労しましたが、見ごたえのある内容になると思っています」

スクープ! 「週刊星流」の秘密

「週刊星流」の編集部には、バックナンバーが雑然と置かれているが、この雑誌にある秘密が!

「表紙の裏側に“ブラックリベンジ”とあるものもあって、実は台本なんです。本来は、小道具として作ったものですが、撮影現場には“星流”の顔をした台本が転がっていたりします(笑)。万が一、置き忘れて撮影してもバレないんですよ」(福田P)

 編集部の壁に貼ってある中吊り広告もこだわって作っているそう。

「スタッフの顔写真を使用して、本物らしくしています! ぜひチェックしてみてください」(同)