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 大人気の朝ドラ『わろてんか』。大阪に舞台が移り、ますます好調なてんと藤吉の物語。キャストたちがつぶやく、思わず笑顔の8つの裏ネタを紹介。これを読めば、もっとドラマを楽しめること間違いなし!

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タイトル5文字はヒットの法則

「『わろてんか』は、朝から笑ってもらいたい、という意味を込めてみんなで案を出し合って決まりました」

 脚本の吉田智子は、タイトル決定の経緯をこう明かす。

「最初は『わろうてんか』という案でしたが、“タイトル5文字は朝ドラヒットの鉄則!”ということで、ちょっと硬い印象になりますが、“う”を抜いた『わろてんか』が採用されました。大阪ことばの辞典を何冊も精読し1文字の違いで議論し、ようやくみんなで導き出したタイトルなんです」

 ここ最近を振り返ると『あまちゃん』『花子とアン』『あさが来た』とヒットが続いている。この法則のとおり、『わろてんか』もヒット間違いなし!?

ヒロインの成長は笑顔にあり

『わろてんか』の人気を支えているのが、ヒロイン・てん(葵わかな)の華やかな笑顔。演じている葵は、

「てんちゃんはただ明るいだけでなく“誰かの幸せを思って”笑える強さが魅力なのだと思います」

 撮影開始当初、てんは自分と真逆の女の子、と悩んでいたという葵だが、制作統括の後藤高久チーフプロデューサーは、

「初めは“自分が頑張らないと”と一生懸命になるあまり、周囲が面白いことを言っても笑顔で受けきれなかったかも。今では緊張もなく、普段の笑顔がお芝居の中にも自然に表れているのかなと。これから年齢を重ねるにつれ、華やかなだけではない、人を安心させる笑顔を見せてくれる彼女に期待してください」

『16歳』を演じた理由

 第1週では、子役たちがキャラクターの幼少期を演じていたが、松坂桃李だけは16歳の藤吉を演じていた。相棒のキースは前田旺志郎から大野拓朗に代わったのに……。

「あえて子役を使わなかったのは、今後の放送で成長したヒロインが藤吉を思い出すときに、それはぜひ松坂さんであってほしいと思ったんです。なので、松坂さんで通すほうを選びました。明治という時代なら、16歳が大人びていてもおかしくないだろうということもありました」(後藤CP)

 てんを演じた新井美羽ちゃんとは実年齢差18歳!「笑って見てください」と、松坂は苦笑いしていた。

洋装で目立ってます!

「傍目から見れば、てんは伊能(高橋一生)と一緒になるのが当たり前と思いますよね(笑)」(後藤CP)

 大阪で男たちに絡まれたてんのピンチに、颯爽(さっそう)と現れた“白馬の王子”伊能栞。その姿は『あさが来た』の五代さまの再来のよう。しかし後藤CPは、

「それは意識していないです(笑)。明治時代の先端をいく人となると洋服を着て、となるので、その部分で五代さんのように見えてしまうのかもしれませんが……」

 演じている高橋は、

「完全無欠に見えて、実はもろさのある男です。時代を先取りした洋装をよろいのように着こなしていますが、いちど誰かに心を許してしまうと、無意識のうちにダメなところを見せてしまう。そんな複雑な階層が見え隠れするように演じたいと考えています」

てんを支える第三の男

 藤吉、伊能に隠れがちだが(!?)忘れていけないのが幼なじみとして、てんに心を寄せている風太(濱田岳)。

「昔からずっと一緒にいて、てんの用心棒というか、彼女を守らなくてはいけないと思い込んでいる男です。この立ち位置を彼は最後まで貫いていく、ちょっと高倉健さん的な“いい男”です(笑)」(後藤CP)

 濱田は現場でも盛り上げ役で、葵やトキ役の徳永えりからも、「アドリブに笑わされて困るくらい」と言われている。その陰の努力を本人はこう明かす。

「アドリブも(関西弁の)アクセントが違ったせいでNGにするわけにいかないので、本番前には必ず方言指導の先生に確認しに行きます。ふざけたセリフを確認して、そのイントネーションを修正されるのは、なかなか恥ずかしいですけど(笑)」

色とりどりなヒミツ

 芸だけでなく、リリコ(広瀬アリス)たち芸人が着る衣装のカラフルさもとても新鮮。

「旅芸人たちなので、そんなに豪華な着物を持っているはずはありません。なので、いろいろな端切れを継ぎ足した衣装という設定です。芸人時代の藤吉の衣装なら、大漁旗のようなものが入っていたりして、色みは豊富です」(後藤CP)

 衣装へのこだわりは、ほかにも。

「京都のてんちゃんの実家ではきれいな着物を着ていますが、半襟は当時のアンティークものを探して使うなど、着物好きな方が見ても楽しめると思います」

『情熱大陸』ネタに爆笑

 笑い上戸ではないのに、この現場では笑いっぱなし、という葵。中でも桃李の、あのドキュメンタリー番組の脳内パロディーネタで大笑いしたという。

「ほら、照明のスタッフさんを見てごらん。“彼は現場で光を追い続ける……”って。普段は冗談を言い合っているスタッフさんにカッコいいナレーションをあてると、それっぽく見えて(笑)。松坂さんは頭の中でそんなことをしているみたいです」

「僕のマイブームなんです。ほかの役者さんにもやっていますよ」(桃李)

子育ては驚きの連続!

 今後、てんは仕事に奮闘しながらも子どもを産み、母親へとなっていく。19歳の葵にとっては未体験のお芝居。

「実年齢より年をとっていくのはすごく難しいなと感じています。例えば、子どものおしめを替えるシーンも、自分自身に経験がないから、本当の母親らしく見えないんじゃないかとか思ったり。でも子役の赤ちゃんとふれ合ったときに、“子どもってこんなに重いんだ、こんなに泣くんだ”と、初めて知ることがあって。てんと私は初めての体験を一緒にしながら、ともに大人になっていかなくては、と思います」(葵わかな)

 来週には、いよいよ夫婦ふたりの夢の出発点になる寄席が登場。“笑いをビジネスに”が加速します!