ドバイで男性に偶然触れた旅行者が…(画像は『Metro 2017年10月10日付「British man facing Dubai jail ‘for putting hand on man’s hip’ appears in court」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット)

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他国の法律をよく知らずに旅に出ると、とんでもない災難に巻き込まれることがある。このほどイギリス人男性が、ストップオーバーした先のドバイで偶然にも男性に触れてしまったことが原因で逮捕され、拘留の身となった。この旅行者の男性には3年間の懲役刑が科せられる可能性もあるという。『The Sun』『The Independent』『Sky News』などが伝えている。

英スコットランドのスターリングに暮らす電気工のジェイミー・ハーロンさん(27歳)は仕事柄、世界各地への出張がある。今回はアフガニスタンへ仕事に向かう途中、ドバイにストップオーバーした。

ところが、そんなジェイミーさんに悲劇が襲った。7月15日、ジェイミーさんは2日間の滞在予定だったドバイ市内で若者に人気のバー「Rock Bottom Bar」に友人らと出向きアルコールを購入した。店内が混雑していたため、人とぶつかったりお酒をこぼしたりしないようにと配慮する気持ちから、すれ違った男性の腰部分を右手で触れ通り抜けようとした。

するとその男性がジェイミーさんに触れられたことを騒ぎ出した。現れた警察官にその男性と友人らはアラビア語でジェイミーさんを指差し、時折英語で「この男は酒を飲んで私の体を触った」と叫んだ。警察官から男性に謝罪するよう言われたジェイミーさんは素直に従ったものの、男性は納得せずジェイミーさんを逮捕しろと警察官に要求した。

わけがわからないまま出来事から20〜30分後に逮捕されたジェイミーさんは、後に自分が「公然わいせつ罪」と「飲酒」で逮捕されたことを知り愕然としたが、「あくまでもお酒をこぼさないようにと配慮したまでだ」と主張した。ところが警察はジェイミーさんを悪名高いアル・バーシャ(Al Barsha)刑務所に送り、5日間拘留した。ジェイミーさんは、悪臭漂う監房で8か国の異なる国籍を持つ囚人らと不快なマットレス1枚に雑魚寝をさせられ、体を洗うことはおろか歯磨きも禁じられた。その後、釈放されるもパスポートを政府当局に没収され、現在もドバイに拘留の身となっている。

このことが原因でジェイミーさんはアフガニスタンでの仕事を失い、現在までのおよそ3か月間で32,000ポンド(約475万円)という莫大な法的措置費用も出費している。ジェイミーさんと連絡を取り合っているイギリスを拠点に活動するNGO団体「Detained in Dubai」の最高責任者ラダ・スターリングさんは、このように話している。

「彼は今、激しいプレッシャーとストレスの真っ只中にいます。ドバイではイスラム教徒の飲酒は禁止されています。旅行者(非イスラム教徒)はアルコール販売許可証を持ったレストランなどで飲酒することができますが、それでも『公共の場で酔っぱらっていた』などの理由で逮捕されるケースがあとを絶ちません。法的な矛盾があるにもかかわらず、これほど長期で旅行者を拘留するというのはもってのほかです。」

ジェイミーさんも自分に起こった出来事にただ驚愕し、ジェイミーさんの両親は「息子がまさかこんな目に遭うとは予想もしておらず、この数か月私たちも苦難の日々を過ごしている」と語っているという。

ジェイミーさんは弁護士を通じて起訴するつもりで、そのためにも裁判で行われる審問日を待っていた。ところがジェイミーさんの弁護士に何の連絡もなく当局が審問日程を変更し、知る由もなかったジェイミーさんが審問に不参加だったことからさらに30日間の拘留を言い渡されてしまったのだ。

「あまりにも不公平過ぎます。審問日程を知らされていれば、起訴したいのだから当然裁判所に出向いていましたよ」と怒りを露わにするジェイミーさんは最悪の場合、3年の懲役刑が科せられる可能性もあるが、そうなれば「人権侵害と拷問に直面することになる」とスターリングさんは言う。2週間後に再び裁判が行われる予定というが現時点で日付は未定であり、外務・英連邦省のスポークスマンは「7月の逮捕以来ジェイミーさんとは連絡を取っており、領事支援の手配をする予定」と述べている。

このニュースを知った人からは「国によって法律は違うから」「ドバイでは法に従わないとこういうことになるんだよ」「はたして彼は真実を話しているのだろうか」「アラブ連邦国に旅行したいと思うのが間違い」「これは完全なホラーストーリーだな」といった声があがっている。

画像は『Metro 2017年10月10日付「British man facing Dubai jail ‘for putting hand on man’s hip’ appears in court」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)