衆議院の解散から、テレビも新聞も選挙の話題でいっぱいですね。でも、そこで使われてる言葉って、いまいちよくわからないものが多いと思いませんか。

　「○○党の公認候補として立候補します！」なんて言葉をよく耳にしますが、ここで言う「公認」と「非公認」の違い知ってますか？　

　この二つの違いは、立候補を届出する形態の違いなんです。

　立候補するには、選挙長に届出をしなくてはなりません。ちなみに選挙長とは、開票結果を受け、各選挙区の当選者を決定する選挙会を取り締まる人のこと。

　「公認」というのは、所属する政党や政治団体が届出をする場合を言います。それとは逆に、個人で届出をする場合を「非公認」と呼んでいるのです。

　今、世間で大きな話題になっていますが、党本部の方針に反対した行動を取っていると選挙に際して「公認」が、貰えなくなる場合があります。その場合は、個人で届出をして「無所属」で立候補するか、別の党から「公認」を貰うか、この二つに一つ以外には選挙へ立候補する方法がなくなってしまう、というワケです。

　ここで、疑問なのは「無所属ってことは離党しちゃうってことなの？」ということ。

　それが違うんです。公認してもらえず、無所属で立候補しても、政党には所属していられるのです。ただし、選挙活動において、所属している政党の名は語れません。

　それなら「わざわざ新党を作って立候補したりしなくてもいいじゃないか」と思うかもしれませんが、ここからがポイント。「公認」と「非公認」の間には、選挙活動のできる範囲に大きな差があるのです。

　政党による違いはもちろんありますが、政党の公認候補になると、公認料として党本部から、数百万円の活動資金が支給されたり、公認候補自身が支部長となる「××党○○支部」を作り、そこで選挙資金を集めることが可能になったりします。

　さらに資金面以外でも、まだまだ違いはあります。非公認の場合、公認に比べて、使用可能なポスターやハガキの枚数も少なくなりますし、マニフェストを配布できたり、テレビ・ラジオの政見放送に出演できるのも政党の公認立候補者のみ。さらに、政党の公認候補であれば、ブロック比例代表との重複立候補をすることによって、選挙区で敗れても、比例区で復活当選することも出来るのです。

　これなら公認で立候補したほうが有利な場合が多いですよね。そういった理由もあってか、今回の衆院選では、新党の旗揚げが相次いでいるようです。現行の公職選挙法は政党同士の対決による選挙を想定しているため、公認・非公認には、これまで説明してきたような違いが存在しているのです。

　どうです、ちょっと選挙のしくみが分かった気がしませんか？　　（文／verb）