阪急電鉄が大阪市中心部の梅田駅から「大阪空港」を結ぶ新路線を検討していると報じられ、ツイッター上などで論議になっている。

「阪急電鉄 大阪空港への新線検討」。NHKウェブ版ニュースが2017年9月1日にこんな見出しで報じるなど、新路線について、いくつかの報道で「大阪空港」の通称が使われた。

大阪中心部と「伊丹空港」を直結


構想では、空港まで直結(阪急梅田駅で)

「大阪空港」とは、「大阪国際空港」のことだ。関西では、大阪府から兵庫県伊丹市にまたがることから「伊丹空港」と呼ばれることが多い。

報道によると、大阪府豊中市内の宝塚線・曽根駅から約1000億円の工費をかけて地下に新路線「伊丹空港連絡線」を作り、3キロ先の伊丹空港とを結ぶ。これで、梅田駅から鉄道としては初めて空港への直接乗り入れが実現する。

現状では、宝塚線・蛍池駅でモノレールに乗り換えるか、梅田駅からバスを利用するしかない。もし新路線ができれば、大阪中心部から空港へのアクセスが飛躍的に向上する見込みだ。

阪急では、大阪中心部と「関西国際空港」を結ぶ「なにわ筋線」を2031年初に開業する予定で、「伊丹空港連絡線」ができれば、空港間が最短約1時間で結ばれる。新幹線が通るJR新大阪駅への連絡線も検討されており、交通の要所を結ぶことで、外国人観光客の増加に対応する狙いもあるという。

こうした報道について、ツイッター上などでは、関西在住とみられる人から、これで便利になるなどと期待する声が次々に上がった。一方で、新路線を巡って、戸惑いの声も漏れている。

「採算性など事業の見通しはまだ立っていない」

「大阪空港って伊丹空港?関西空港と伊丹空港で覚えてたから???になったw」
「伊丹にそこまで需要あるか疑問」
「便利にはなるけど、採算取れるのかな?」
「過密ダイヤになっているところに、梅田〜空港の直通列車をどう差し込むか」

もっとも、橋下徹前大阪市長が唱えていたように伊丹空港が将来廃止されたとしても、阪急は、再開発後の需要を見込んでいるのではないかとの推測も出た。

阪急電鉄の広報部は9月4日、Jタウンネットの取材に対し、伊丹空港連絡線の構想はあるのは事実だと認めたうえで、こう説明した。

「交通ネットワークの強化のために、こんなのができたらいいだろう、市街地なので地下になる可能性が高いと考えて構想しました。しかし、採算性など事業として成り立つのかの見通しは立っていません。ダイヤなども今後考えなければならず、期限を切っていつまでに事業の可否を判断する、というレベルのものではないです。伊丹空港が廃止になることも想定していません」

大阪空港の表現については、阪急が出したものではなく、マスコミの呼び方だとしている。