2017年上半期の転職者の平均年齢は32.1歳だったことが総合人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、峯尾太郎社長)の調査で分かった。

 2017年上半期(2017年1〜6月)の転職者の平均年齢は前回調査の32.5歳から0.4歳マイナスとなる32.1歳となった。ここ2年、転職年齢は上昇傾向にあったが、今回の調査でトレンドに変化が出た。

 男女別でも、男性は前回から0.2歳マイナスの32.8歳、女性は0.2歳マイナスの29.7歳と、ともに平均年齢が下がった。

 転職成功者の内訳を年代別に見てみると、最も割合が高いのは「25〜29歳」の37.9%で、次いで「30〜34歳」の23.5%、「40歳以上」の15.7%が続いた。

 前回調査と比べると「24歳以下」が0.5ポイント増、「25〜29歳」が2.1ポイント増と、それぞれ割合を伸ばした。一方、「30〜34歳」が1.6ポイント減、「35〜39歳」が0.3ポイント減、「40歳以上」が0.5ポイント減と、30代以上の区分ではいずれも割合を下げた。

 職種別では、10職種の中で平均年齢が上昇したのは「クリエイティブ系」の1職種のみ。「事務・アシスタント系」と「企画・管理系」は前回と同じで、そのほかの7職種では前回からダウンする結果となった。

 「クリエイティブ系」の平均年齢は前回比0.5歳プラスの31.9歳で、2007年下半期の調査開始から過去2番目に高くなった。

 Webサービスや自社サイトを展開する事業会社の中では、制作や改善スピードの向上、品質担保などを重視して、これまで外注していたWebのデザインや開発を内製化する動きが盛んに進んでいる。 また、メーカーや小売・アパレル業界の企業の多くは、オンラインショップなど実店舗以外での販売チャネルの拡充にも注力しており、WebディレクターやWebプロデューサーなど高い専門性を持つ人材を求める傾向が強まっている。

 クリエイティブ系職種では、幅広い年代で経験者採用が進んでおり、それが転職年齢を押し上げる要因となった。

 前回からの下降幅が特に大きかったのは、平均年齢が33.1歳の「技術系(IT/通信)」と32.3歳の「技術系(医療/化学)」(ともに前回比マイナス0.6歳)、35.8歳の「技術系(建築/土木)」(同マイナス0.5歳)の3職種だった。

 AIやIoT、ビッグデータの活用など、テクノロジーを用いた新しいビジネスモデルや業務の効率化を進めるIT/通信業界や、自動車・半導体業界の好調を受けて開発ニーズが堅調な化学系メーカーなどでは、慢性的なエンジニア不足が続いている。

 また、大規模インフラの老朽化対策や既存物件のメンテナンス、リフォームなどの需要が続く建築・土木業界では、業界全体としての人材不足感に歯止めが掛かっていない。そのため、これまでは経験者中心の採用を行っていた企業などでも、若手や未経験者採用に乗り出すケースが増え始めており、技術系職種では転職者の年齢低下が進んだ。

 調査は、2007年7月〜2017年6月の間に、DODAエージェントサービスを利用して転職したビジネスパーソンを対象に実施し、約13万人の有効回答を得た。