SAOが現実に?  脳波で操作するVRを米Neurableが開発。手を使わずにゲームプレイ可
7月31日〜8月3日にロサンゼルスで開催されたコンピューターグラフィックやインタラクティブ技術の発表・展示会SIGGRAPH 2017において、脳波コントロールに取り組んでいる米スタートアップのNeurableが、VR内の動作を脳波でコントロールできるBCI(brain-computer interface)システムを発表しました。

HTC VIVEのストラップの代わりに、7つの電極が付いた装置を装着。この電極で脳の信号を読み取り、VR内を操作できます。

なお、脳波を読み取るというと、集中やリラックス、睡眠などの計測にも使われるEEG脳波パターンを思い浮かべますが、これとは異なり、「何かアクションを起こしたい」「何かアクションを起こした」という時に発生する具体的な電位(事象関連電位:ERP)を測定しているとのことです。

Neurableはこの装置を試すため、VRグラフィック会社のestudiofutureと協力して作成したVRゲーム「Awakening」も披露。超能力者の主人公が、近くにあるアイテムをその能力でロボットに投げつけ戦いながら、政府の研究室から脱出するという内容で、もちろん、これらの操作は脳波で行います。

Neurableは、このゲームを2018年にアーケードゲームとしてリリースすることを目指すとのことです。


▲アイテムを選択する操作の様子(UploadVRのYouTube動画)

技術的には、VRの中でアバターの手足を自由に動かすことも出来そうですが、NeurableのCEO Alcaide氏によると、それには長時間の訓練が必要になり、コンシューマー向けではないとのこと。基本的に訓練を必要としないシステムを作りたいとしています。

おそらく、現状では想像しているよりも、もっと単純なことしかできないのだろうとは思いますが、将来的に視線追跡やほかの操作方法と組みあわせることで操作の自由度は広がりそうです。人気アニメ「ソードアート・オンライン」のようなフルダイブ型のVRも近く実現するかもしれません。