人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、7月の転職求人数は前年同月比21.0%増で32カ月連続で調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新した。転職希望者数は同31.6%増だった。

 求人数は前月比1.2%増、前年同月比21.0%増、転職希望者数は前月比6.1%増、前年同月比31.6%増だった。求人倍率は前月比0.12ポイント減の2.31倍となった。

 業種別にみると、求人数が増加したのは9業種(その他を含む)のうち「IT・通信」「金融」「メーカー」「商社・流通」「サービス」の5業種だった。特に伸びたのは、「金融」(前月比3.9%増)、「サービス」(同2.8%増)。

 「金融」では、生命保険会社で営業職の採用が引き続き活発で、契約件数を伸ばしている会社では営業事務の求人も増えている。

 「サービス」では、リノベーションや新築マンションの需要が伸びている不動産や、事業会社のAIやIoT活用促進を受け、コンサルティングファームで求人数が増えた。

【業種別 求人数増加率(前月比)】
金融    3.9%増
サービス  2.8%増
メーカー  1.9%増
商社・流通 1.2%増
IT・通信  1.1%増
その他   0.6%増
メディア  2.1%減
メディカル 2.5%減
小売・外食 7.0%減

 職種別では、求人数は11職種のうち「営業系」「技術系(IT・通信)」「技術系(電気・機械)」「技術系(メディカル)」「技術系(化学・食品)」「技術系(建築・土木)」「専門職」の7職種で増加した。

 特に伸びたのは「技術系(建築・土木)」(前月比5.6%増)、「専門職」(同5.0%増)だった。

 「技術系(建築・土木)」では、メンテナンス・リフォームニーズの高まりを受けて、施工管理やプラントエンジニアの求人数が増加した。

 「専門職」ではデータ活用やシステム監査などのニーズが高まっているためビジネスコンサルタントで求人数が増加した。また、コンストラクションマネジメントや用地仕入など不動産開発の求人数も増えた。

【職種別 求人数増加率(前月比)】
技術系(建築・土木)5.6%増
専門職       5.0%増
技術系(IT・通信) 3.4%増
技術系(電気・機械)2.1%増
技術系(化学・食品)1.3%増
営業系       0.6%増
技術系(メディカル)0.2%増
クリエイティブ系  0.2%減
企画・管理系    1.3%減
事務・アシスタント系4.6%減
販売・サービス系  7.2%減

 今後の転職市場についてパーソルキャリアでは、「8月は、お盆や夏期休暇などで転職希望者の活動は落ち着く傾向にある一方で、企業は9月までに今期の採用枠をできるだけ充足させたいと意気込んでおり、8月も活発な採用活動を続ける見込み」と指摘している。