グローバル人材の採用は5割の企業で増加しているものの、いまだに約7割の企業が不足していると感じていることが、総務省が発表した「グローバル人材育成の推進に関する政策評価」で明らかとなった。

 グローバル人材の主要な需要者である海外進出企業に対して調査を行ったところ、“グローバル人材”に当てはまる新卒採用者は「やや増加」が39.1%、「増加」が11.5%となり、約5割の企業が増加傾向となった。「変化していない」は41.9%、「やや減少」は4.1%、「減少」は3.4%だった。

 海外事業に必要な人材の確保状況は、「どちらかといえば不足」が52.7%、「不足」が17.8%となり、約7割の企業が人材不足と回答した。

 グローバル人材の要素として、「語学力・コミュニケーション能力」は約6割の企業が向上・やや向上とする一方、「異文化理解の精神」は約5割、「主体性・積極性」は約3割にとどまる。

 “グローバル人材“育成のために企業が大学に求める取組は、1位「海外留学の促進」、2位「異文化理解に関する授業の拡充」、3位「ディベート等の対話型の授業の拡充」などとなった。

“グローバル人材“育成のために企業が大学に求める取り組み 上位5項目
1位 海外留学の促進
2位 異文化理解に関する授業の拡充
3位 ディベート等の対話型の授業の拡充
4位 英語授業の拡充
5位 外国人留学生・教員の受け入れによる学内国際化

 学生の理想的な海外留学期間は、約8割の企業が1年以上(47%)、または6カ月以上1年未満(35%)が理想と回答した。

 調査は、海外進出企業4932社を対象に実施し、980社の有効回答を得た。(WEBによるオンライン調査912社、実地調査68社)