XFN-ASIAによると、米ネットワーク機器最大手のシスコ・システムズは、10日発表した第4四半期(5−7月)決算で、新年度の第1四半期(8−10月)と通期(2005年8月−2006年7月)の売上高見通しがアナリスト予想を下回ったことから、同社の株価は6.94%下落の18.25ドルに急落した。

  シスコの第4四半期売上と利益はアナリスト予想通りだったが、8日に同社のジョン・チャンバースCEO(最高経営責任者)がアナリストとの電話会議で新年度の第1四半期の売上高が10%増となると予想し、これがトムソン・ファーストコールのアナリスト予想11%増を下回ったことから株価は下落を始めた。

  また、デニス・パウエルCFO(最高財務責任者)も、今期(2005年8月−2006年7月)の売上高が前年比10−12%増になると発言して、同社の株価下落に拍車をかけた。パウエルCFOの売上高予想は、昨年12月のアナリストとの年次会合で、同氏が2008年まで売上高は10−15%増が続くと予想したものより控えめな数字だったためだ。2006年の売り上げの伸びが今回の予想通りにとどまるならば、2008年までの予想レンジの上限(15%増)を達成するには、かなりの努力を強いられることになる。

  同社は、企業のコンピュータネットワークが安全対策などで更新されることによって潤っており、同社の法人部門は前年比10%の伸びを示している。シスコは大手企業へのネットワーク機器販売がビジネスの約45%を占めるが、市場の成熟により、価格を下げた普及版のリンクシス部門の売り上げが増えており、また、電話会社へのルーター販売では同業のジャニパー・ネットワークスからの競争にさらされているアジアで、販売が減少しており、売り上げ全体に占める同社のシェアは、日本では1年前の7%から5%に低下、中国でも、国内メーカーからの競争にさらされ売り上げ、シェアともに減らしている。

  同社の株価は10日、18.52ドルまで下落したあと、一時前日比1.06ドル安の18.55ドルまで戻したが結局、再び下げ、前日比1.36ドル(6.94%)安の18.25ドルで引けた。時間外取引では終値比0.02ドル(0.11%)高の18.27ドルで推移していた。【了】