西武・中村剛也【写真:荒川祐史】

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連発で本塁打1位に3本差、7度目の本塁打王なら野村克也に「2」

 西武の中村剛也は7月3日の東京ドームでの日本ハム戦で16、17号を連発し、本塁打1位のソフトバンク柳田悠岐、デスパイネに3本差と迫った。

 中村剛也は歴代32位、現役では巨人の阿部慎之助(383本)、村田修一(350本)につぐ3位の347本塁打を打っているが、実働15年目で、規定打席に達した6シーズンはすべて本塁打王のタイトルを取っている(打点王も3回)。

 今季は欠場は5試合だけ、規定打席を大きく上回っているので、7回目の本塁打王は大いに期待が持てる。

【本塁打王を5回以上獲得した選手】

王貞治 15
野村克也 9
中村剛也 6
落合博満 5
中西太 5
青田昇 5

 すでに中村剛也は史上3位だが、今季獲得すれば、野村克也の記録にあと2と迫ることになる。

 中村剛也は、通算満塁本塁打数では16本で史上1位。2015年、4本もの満塁本塁打を打って、王貞治の15本、藤井康雄、中村紀洋の14本を一気に抜いた。すでに現役選手の中では数少ない「球史に残る選手」になりつつあると言ってよいだろう。

 2011年に中村は48本塁打を打って3度目のタイトルを獲得しているが、この年は「統一球」の導入によって本塁打数が激減。しかし、中村はそのシーズンに2009年に並ぶキャリアハイの本塁打を記録。これは千葉ロッテのチーム本塁打数46よりも多かった。

本塁打王&打率最下位なら史上4人目、日本人では初に

 今季の中村は珍記録への期待もかかる。それは、本塁打王と打率最下位を同時に記録するというものだ。

 中村は現在、打率.235、ランキングでは28人中26位、下の2人(楽天:アマダ―、オリックス:安達了一)は規定打席ギリギリなので、打撃が向上しなければ規定打席から外れる可能性もある。そうなると中村の打率最下位の可能性が出てくる。

 本塁打王と打率最下位を同時に記録した選手には、過去に1974年の近鉄ジョーンズ(38本塁打、打率.226)、1987年の広島ランス(39本塁打、打率.218)、2011年のヤクルト・バレンティン(31本塁打、打率.228)の3人がいるが、中村が記録すれば、日本人初となる。もともとアベレージヒッターではない中村には、これはむしろ勲章ではないだろうか。

 中村剛也の初本塁打は2004年7月24日の近鉄戦。この試合では2本塁打を打った。「おかわり君」の異名をとっているが、調子にのると手が付けられなくなるのが特徴だ。

【通算での月間本塁打数】

3・4月 49本
5月 66本
6月 55本
7月 48本
8月 53本
9・10月 76本

 中村はどちらかと言えばスロースターターだが、毎年、シーズン終盤になると「おかわり君」の本領を発揮して、本塁打を量産してタイトルを獲得してきた。今季も、本塁打1位と2、3本差で夏を過ぎれば、十分に可能性はあるだろう。

 西武の4年ぶりのポストシーズン進出のためにも、中村の活躍は不可欠だ。今後の打棒に注目しよう。(広尾晃 / Koh Hiroo)