ソフトバンク・川島慶三【写真提供:福岡ソフトバンクホークス】

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初先頭打者弾ソフトB川島、軽妙トーク&ファンに“珍要求”

 ヤフオクドームの鷹ファンを爆笑に誘うお立ち台だった。ソフトバンクの川島慶三内野手が24日のロッテ戦で、自身初となる先頭打者本塁打を放つなど2安打と活躍。今季初となるお立ち台に上がると、軽妙なトークで笑いの渦に包んだ。

 まず、インタビュアーに初の先頭打者本塁打の感想を聞かれ「本塁打はあれなんですけど、久々過ぎて緊張しています。広報の方に『ヒーローインタビューの流れ分かりますか?』って聞かれて『分かります』って答えましたけど、全然分かんないです」と軽く笑いを誘うと、自ら「1つ言いたいことがあるんですよ」と切り出した。

「1番セカンドベースマン、川島慶三ってアナウンスがあった時に少しガッカリしたような感じがあるのかなって。カワサキってなるとワーッてなる。ホンダ、アカシでもワーッてなるけど、カワシマもお願いしますね!?」

 今季途中に、米カブスから川崎宗則内野手が6年ぶりにソフトバンクに復帰。現状、二塁手は川崎、本多、明石、そして川島と4人が競い合っている。なかなか出番に恵まれない状況にある中で、ファンに“珍要求”を出し、スタンドから笑いが起きた。

熾烈な二塁手の争い、「どうにか這いつくばって生きていこうと」

 続いて「首脳陣の方にチャンスを頂いているので、結果を出して、どうにか這いつくばって生きていこうと思っているんで」というと「尾崎豊みたいなこと、僕言っていますね」と自ら突っ込み。最後には、インタビュアーに「今日のヒーロー、カワサキ選手でした」と振られ「なんでやねん!」とすかさず突っ込み、お立ち台を締めくくった。

 この日は左腕のチェンが先発とあって「1番・二塁」でスタメン出場だった。初回、初球の真っすぐを完璧に捉えた打球は左翼スタンドへと飛び込む今季初アーチ。自身プロ初の先頭打者本塁打に「真っすぐ1本でいいタイミング、いいポイントで打てた。こんなこともあるのかな、と思いました」。

 二塁手4人がひしめき合うチーム状況にも「唯一、右打者が僕だけ。打てば、チャンスがあると思っている。打たなければ、左でいこうか、となるのは分かっていたので、準備だけはしていました」と話した川島。5回には右中間への二塁打を放ち、7回には勝ち越しにつながる四球も選んだ。

「野球選手なのでユニホームを脱ぐまで、野球に取り組むし、生ぬるい考えだったり、野球に失礼のないようにやっている。無理だなとか言っちゃいがちだけど、絶対に言わない。士気も下がるし、言いたくなるけど、言わない」という33歳。真摯な姿勢が、この日の活躍を呼び込んだ。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani