8日の東京株式市場は、前場の取引で、日経平均<1001>が4日ぶりに反発した。前日、ロンドンで地下鉄6駅と2階建てバス3台が国際テロ組織アルイカイダ系のテログループによる爆破テロ攻撃を受けたことから、東京株式市場は売り先行で始まったが、すでに前日の欧州と米国の株式市場でロンドン・テロの影響の大部分が織り込まれていたため、東京市場ではテロの影響は限定的という見方が広がり、また、株式オプション取引の期日到来によるSQ(特別清算指数)算出が、日経平均指標のインデックス買いを誘ったことを好感して、相場は上昇に転じた。

  日経平均の前場の終値は、前日比63.12円(0.54%)高の1万1653.26円。東証1部の出来高は8億7612万株だった。また、東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は、4.18ポイント(0.35%)高の1184.40だった。東証1部の値上がり銘柄数は988、値下がり数は470、変わらずは189だった。

  東洋証券の大塚竜太マーケット・ストラテジストは、「ロンドンのテロで、東京の相場の下落が心配されていたが、欧米の株式市場でテロの影響を織り込んでしまったので、東京は楽だった。SQ算出は結果的に現物株の買いになったので、いったん、株を売っていた人たちが慌てて買い戻しに動いていた。相場を支える銀行株も値がさのハイテク株もしっかりして、相場全体を支えている」と話す。

  個別銘柄の動きでは、前日に引き続き、これといったテーマ性がなく、個別材料に基づいた局地戦の展開となった。タワー投資顧問が大量株式保有した、手芸用品小売りの藤久が人気を集め、一時11%高まで急伸したが、結局、1.91%高の2925円で前場を終えた。また、「たまごっち」で有名なウィズは前日、業績好調で配当を大幅増配修正したことから、ストップ高となり、買い気配で終えた。エアバッグなどの自動車部品メーカー、日本プラストが28日に実施する第3者割当増資で、ホンダが出資して筆頭株主(20.6%保有)となる見通しになったことから買われ、ストップ高(718円)となった。

  このほか、テロ関連では、毒ガスマスクメーカーの重松製作所が12.86%高の430円、また、同様に興研も2.87%高の895円に急騰した。午後2時から内閣府は設備投資動向を示す5月の機械受注額を発表するが、市場予想(前月比2.4%減)よりいい数字が出るとの思惑から、ファナックが0.7%高の7180円、東芝機械も1.28%高の630円となるなど機械セクターもしっかり。 【了】