県立山形南高等学校(山形)
■山形南はどんな学校?山形県山形市にある山形県立山形南高等学校は1941年に旧制・山形県立山形第二中学校として創立。48年に山形第二高等学校と改称、50年には山形第四高校と統合し現校名となった。現在は普通科の他、先端技術、医療、各種研究機関などへの人材を育成する目的で理数科を設置している。校是の一つでもある文武両道を実践しており、バスケットボール部は昨夏のインターハイで全国3位。また、全国高等学校クイズ選手権の第1回優勝校でもある。野球部は52年夏、57年夏、58年夏、74年夏、80年夏の5度、甲子園に出場。昨秋は山形県大会でベスト8に入り、山形県の21世紀枠推薦校にも選ばれている。
■山形南野球部の紹介現在、野球部は2年生11名、1年生14名の計25名。現チームの特長について、「私たちは『NKタイム』と呼んでいますが、試合終盤に強さがあります」と、宮下 大輝主務。グラウンドはサッカー部、ラグビー部、ハンドボール部との共用で、月曜と木曜のみ野球部が一面を利用できるが、内野だけでの練習がほとんど。そこで、チームとして「時間と空間という2つの『間』を徹底して制する」ことをいつも心がけて練習に励んでいる。
■山形南を引っ張る選手は?森 健太投手はエースとして全試合に登板。試合ごとに安定感を増していき、山形県大会では2試合連続で完封勝利を収めた。中野 海仁選手は主将としてどんな時も仲間を鼓舞。捕手としては投手と相手打者の調子を見ながら配球を考え、勝利に貢献した。長打力があり、秋季大会ではここ一番での強さも発揮した安孫子 信之輔選手は4番打者としての役割をしっかりと果たしている。さらに今春は、1年秋からレギュラーとして活躍している岡崎 隼治選手と、パワフルな打撃が持ち味の鈴木 飛翔選手もチームのキーマンとして期待がかけられている。
■秋季大会で得た手応え昨秋は地区大会一次予選の初戦で山形中央と対戦し、7対13で敗戦。「点の取り合いになりましたが、序盤から守備で上手くリズムを作ることができずに負けてしまいました。でも、この試合がチームとして機能するきっかけになったと思います」と宮下主務。反省を活かした山形南は二次予選を勝ち上がると、山形県大会初戦の羽黒戦ではエース・森が打たせて取るピッチング。守備陣は無失策で好投に応えると、延長10回裏には4番・安孫子がサヨナラスリーラン。劇的な勝利を挙げ、3週間前の試合とは見違える姿を見せた。
■この冬の意気込み「常に先を狙い、相手の隙を突く走塁と、狙い球を確実に打つバッティング」が課題という山形南。この冬はサーキットトレーニングや体幹トレーニングに励むことになるが、宮下主務は「練習では『もう無理だ』と、思ったところからの『あと1回』が勝負。山形で一番ストイックに練習し、今春『化ける』ために異次元の意識で毎日を戦っていきます」と、決意を口にしている。
試合終盤の強さなら、どのチームにも負けない!ここからは、中野 海仁主将(2年)と安孫子 信之輔選手(2年)の二人にお話を伺いました!
中野 海仁選手(山形南)
Q. 秋季大会で見つけた課題を教えてください。
中野:昨秋は、投手を森一人だけに頼りすぎて負担をかけてしまったので、他の投手の台頭とさらなる攻撃力、守備力の強化が課題です。安孫子:やはりエースに頼りすぎてしまったところと得点力の弱さです。
Q. この冬は、どんな冬にしていきたいですか?
中野:チームとしては走塁を含めた攻撃面の強化。個人としてはスローイングとバッティングを強化していきたいです。安孫子:限界から、さらに1回、2回と自分自身を追い込んでいく冬にします。
Q. 野球をする上でのモットーはありますか?
中野:「すべての人に平等に与えられているものは時間だけである」安孫子:「何苦楚魂」です。
安孫子 信之輔選手(山形南)
Q. では、チームの好きなところや、ここは他のチームに負けない!というところを教えてください。
中野:試合後半の強さです。そのための取り組みはどのチームにも負けません。安孫子: 1年、2年関係なく、本気で言い合えるところです。
Q. 最後に、このオフシーズンで「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!
中野:知的で打てるキャッチャーになります!安孫子:まず一番は精神的に強くなりたいです。そして、体重は5kg増量。スイングスピードは秋の記録会で148km/hを記録したので、今春には155km/hを超えて、本当に頼れる4番打者になります!
中野選手、安孫子選手、ありがとうございました!
集合写真(山形南)本氣の努力を期待!最後に石井 貴之監督にお話を伺いました!
Q. 新チームが始まってから、どのようなテーマをもってチーム作りをされて来たのでしょうか?
どんなことに対しても精一杯努力する真面目な選手が多いのですが、ただ「一生懸命」なだけにならぬよう、目標と計画、そしてポイントをしっかり押さえることを常に言ってきました。また、監督である私は、3年生の放課後講習が毎日あるため、明るい時間にグランドに出ることができません。ですから、選手間でしっかり『診る』ということも実践するよう話してきました。
Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。
秋は一戦ごとに力をつけてベスト8入りを果たし、その後、様々な点を評価していただいて21世紀枠の山形県推薦校に選出されました。そのおかげで選手たちには意識の高揚がみられ、自信と誇りを胸にこの冬の練習にも熱が入っています。この冬は「あと2点取る攻撃力、あと2点失点を減らす守備力」をテーマに「化ける」ための日々を探究したいと思っています。また、年末には恒例の合宿を行い、朝から夜まで必死の練習を行いました。さらに、六大学、東都で頑張っている先輩方からもお話をいただき、選手たちは2017年への誓いも新たにしてくれたと思います。
Q. 最後に、厳しい冬の練習に励んでいる選手たちにメッセージをお願いします!
甲子園出場、進路希望実現という2つの大きな目標を達成させるために、本校が掲げる「高いレベルでの文武両道」を徹底して実践してほしいと思います。本校は過去に5度甲子園に出場していますが、まだ1度も勝利していません。過去のどの先輩方よりも本氣の努力を期待しています!
石井監督、そして山形南高校野球部の皆様ありがとうございました!
今年も大好評!【冬が僕らを強くする 特設ページ】各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!