LCCのエア・アジアで気軽に行ける旅先として人気のマレーシア・クアラルンプール。クアラルンプール市内のみならず、近郊にも面白いスポットがあります。

そのひとつが、バトゥ洞窟。クアラルンプールから北へおよそ10キロのところに位置し、クアラルンプール駅やKLセントラル駅から鉄道(KTMコミューター)で、およそ20分です。

バトゥ洞窟は、ヒンドゥー教の聖地として有名。多民族国家であるマレーシアには、インド系の住民も多く、彼らの多くが信仰するヒンドゥー教の寺院が多数あります。

バトゥ洞窟は、毎年、タミル暦の1月〜2月に行われる「タイプ―サム」と呼ばれるヒンドゥー教の大祭のゴール地点。選ばれた信者たちが顔や体に鉄串を刺した状態で、クアラルンプールのチャイナタウンにあるスリ・マハ・マリアマン寺院から、バトゥ洞窟までの道のりを行進するのです。

「バトゥ洞窟」は、英語で表記すると”Batu Caves”。複数形です。つまり、洞窟は一つではなく複数あるのです。

バトゥ・ケイブズ駅の出口は、そのままバトゥ洞窟の入口へと続いています。駅を出て、早速目に飛び込んでくるのが、左手後方にある巨大なハヌマーンの像。

ハヌマーンとは、インドの抒情詩「ラーマーヤナ」で活躍する猿の神様で、インドでは高い人気を誇っています。ハヌマーン像の周辺には、本物の猿もたくさん。

猿たちの気ままな姿を見るのはなかなか楽しいのですが、ここの猿は人を恐れないので、持ち物には気をつけたほうがよさそうです。

ハヌマーン像の先には、「ラーマーヤナの洞窟」があり、洞窟内はカラフルな像の数々で「ラーマーヤナ」の世界が表現されています。

神秘的な洞窟の中で展開されるラーマーヤナ・ワールドはなかなかの迫力で、一見の価値あり。独創的なインドの世界観が楽しめます。

ラーマーヤナの洞窟とは反対側に向かって奥に進んで行くと、バトゥ洞窟のシンボルともいえる、高さ43メートルの巨大な黄金色の像が目に入ります。

この像は、南インドを中心に信仰されているムルガン神。全身が金箔で覆われていて、なんと300リットルもの金が使用されているのだそうです。

バトゥ洞窟で最も神聖な場所である、大鍾乳洞内の本殿へ行くには、ムルガン神の背後にある272段の階段をのぼらなければなりません。バトゥ洞窟の予想以上のスケールに、圧倒されてしまいます。

筆者が訪れた際は修復作業中ために見ることはできませんでしたが、階段の入口には色鮮やかなヒンドゥー教の神々の彫像で彩られた門があります。

長い階段の途中には、やはりたくさんの猿たちが。

階段をのぼり切ると、その先には幻想的な鍾乳洞が待っています。洞窟を形成する石灰岩は、なんと4億歳なのだとか。あまりにも長い歳月に、気が遠くなりそうですね。

洞窟内は、ヒンドゥー教の神々の彫像や壁画の数々で彩られています。

ヒンドゥー教の神様は、一柱一柱が個性豊かで見ていて飽きることがありません。

自然の神秘が生み出した洞窟内に築かれた信仰の場は、荘厳な雰囲気に満ちています。大自然のパワーと、神々のパワーが一体となって、強力なパワーが渦巻いているかのよう。

クアラルンプールを訪れたら、一度は都会から離れて、ユニークなパワースポット、バトゥ洞窟に行ってみてはいかがでしょうか。

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