県立小野田工業高等学校(山口)
■就職に強い山口県立小野田工業高等学校は、山口県山陽小野田市にある工業高校。機械科、電子情報科、科学工業科があり、卒業後は多くの生徒が地元で就職する。野球部は昨春の県大会では、今春選抜出場の宇部鴻城と2回戦で対戦し、4対5と1点差の好試合を演じている。
■竜王山を駆け上がる現在の部員数は1年生7人と2年生15人の計22人。グラウンドが学校から離れたところにあるため朝練は体育館で行う。西村 拓也主将にこのチームの良さを3つ尋ねると「1、2年生の仲がとても良い。元気が良くて明るい。チーム力の3つです」と答えてくれた。しかも単に仲が良いだけでなく「上下関係はしっかりしてます」とも。この冬は体重を増やして体を大きくすることとバットを振り込んで飛距離アップを目指す。
名物練習は市内で一番標高が高い竜王山で行われる階段ダッシュと坂ダッシュだ。勾配のきつい坂道で100mを10往復、ハーフダッシュ50mを10本などを行う。目標は「春はベスト4入りを目指して、夏の大会のシードを必ず取ること。夏は半世紀ぶり2回目の甲子園出場です」
■最終的に全員で目標を達成できるようにしたい西村主将が印象に残っている試合は昨秋の県大会の準々決勝・熊毛南を挙げてくれた。3回まで終わって1対2の1点ビハインド。ここまで小野田工は準々決勝を迎えるまでの3試合のうち、2試合は先制されてから逆転勝ちした試合だった。小野田工はこの試合も、これまでの試合と同じように後半勝負を仕掛けて逆転するつもりだった。しかし...。「一つの送球判断の誤りがあり、そこから相手にたたみかけられ敗退。力の差を見せつけられてとても悔しかったです」(西村主将)県大会では逆転勝ち2試合と粘り強い試合運びで、ベスト8まで勝ち上がった小野田工だったが、準々決勝でコールド負けを喫し、悔しさが多く残った大会となった。この春、ベスト8から上を目指すための課題とは?「上位のチームと互角に戦うのは、まずは体を大きくすることが大切だと思いました。この冬は今春に繋がるように、秋の大会で感じた体力不足を解消し、最終的に全員で目標を達成できるようにしたいです」と練習に励む。その成果を発揮する春のキーマンとして「チームの雰囲気を作って、盛り上げてくれると思います」と藤田 悦史選手の名前を挙げた。
練習風景(小野田工)精神的にも身体的にも一回り、二回りも大きくなれるようにここからは西村主将が「チャンスで打ってくれた。勝負強かった」と秋に活躍した選手として名前を挙げた和泉 拓磨選手、吉田 将也選手にお話を伺います。吉田選手は俊足が武器で時には四死球が三塁打になることもあるそうです。
Q. 昨秋を振り返って課題はどういうところに感じましたか?
和泉:甘い球しか打てないので、際どい球でも対応して打てるようになりたいです。吉田:守備でのエラーが目立ったのでそこを改善していきたいです。
Q. この冬はどんな冬にしたいですか?
和泉:体を強くして飛距離を伸ばしたいです。吉田:精神的にも身体的にも一回り、二回りも大きくなれるような冬にしたいです。
Q. モットーにしていることや好きな言葉は何ですか?
和泉:「不撓不屈」です。吉田:「努力」です。
Q. 他のチームに負けない長所は何ですか?
和泉:チームが一致団結して、一つの目標に向かって努力していることです。吉田:一つの目標に向かって、全員で団結して練習しているところはどこの学校には負けないと思います。
Q. この冬でどんな選手になるか、目標宣言をお願いします!
和泉:今春の大会、最後の夏の大会でチームの中心となり、勝利に貢献出来るような選手になります。吉田:打球の飛距離がさらに伸びるようにトレーニングを積んでいきます。
和泉選手、吉田選手ありがとうございました。
坂のダッシュ(小野田工)チーム力で熱く乗り切っていこう!最後に佐方 敬監督にお話を伺いました。
Q. 新チームでのテーマとこの冬のテーマを教えて下さい。
新チーム結成以来、打撃不振や守備のコンバート等で上手く噛み合わなかったのですが、個々の練習テーマを見つける事により成果が現れ、秋の大会では組み合わせにも恵まれて、県大会まで駒を進める事が出来ました。しかし一つ勝てば中国大会出場でしたが、さすがに力の差を感じ悔しい思いをしました。冬ではその悔しい思いを胸にゼロから体力、精神力を鍛え直し土台作りに励みます。
Q. 冬の練習に励む選手達にメッセージをお願いします。
高校野球の冬の練習は特に辛いので、チーム力で熱く乗り切って欲しい。
佐方監督、小野田工野球部の皆さんありがとうございました。地元で一番標高が高い竜王山で鍛えた足腰でトーナメント表も駆け上がって下さい。
今年も大好評!【冬が僕らを強くする 特設ページ】各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!