“30歳で辞めると思っていた”…FC東京FW大久保嘉人の決意「俺のゴールでタイトルを」
在籍した4年間で3度の得点王に輝いた川崎フロンターレを離れ、FC東京への移籍を決断したFW大久保嘉人。J1通算最多得点となる171ゴールを記録する34歳の点取り屋が、新天地を求めた理由からゴールへのこだわり、そして新シーズンに懸ける思いを語った。
俺は刺激がないとダメ
ゼロから頑張ろうと思った
――川崎Fを離れ、FC東京への移籍を決断した理由を教えて下さい。
「2年前にもFC東京からオファーをもらいましたが、その時は断っていました。ただ、34歳になった俺にもう一度オファーを出してくれて、チームの熱意を感じたし、俺自身もう一回チャレンジしたい気持ちが湧いてきた。川崎にいれば今までどおりのプレーができたかもしれないけど、それでは俺らしくないかなと。せっかくオファーがきたし、違うチームで今までとは違う刺激をもらい、またゼロから頑張ろうと思った」
――川崎Fは風間八宏監督(現名古屋)が退任し、監督が代わるタイミングで新たな刺激もあったと思います。
「それでも、自分がチームを変えることで受ける刺激の方が大きいし、また違ったパワーを出せる。俺は、刺激がないとダメなんですよ」
――国内移籍だけでなく、海外移籍の経験もあります。移籍に対する不安と楽しみでは、どちらの方が大きいものですか。
「移籍の経験はあるけど不安はあるし、不安がないとダメだと思う。試合に入るときも同じで、不安がないと体が動かないこともある。ゴールも次の試合で取れるのか、取れないのかを考えるし、取れなければ『このまま点を取れないんじゃないか』と思うくらい、意外に考え込むタイプですからね。だから移籍にも不安な気持ちはあるけど、やっぱり、またゼロからという楽しみの方が大きいかな」
――外から見ていたFC東京のイメージは?
「サッカーの相性もあるけど、川崎にいるときは個人的にプレーしやすかったし、もっと激しく来たら嫌なのになと感じることもあった。FC東京は少し大人しいイメージがあるので、自分が入るからにはそういうところからチームを変えていきたいと思っている。自分は練習が終わったらすぐに帰っちゃうから(笑)、練習中に感じたことがあれば、『こうした方がいいんじゃない?』『こういうやり方はどう?』とかチームがうまく回るようなことは言いたい。それで何も変わらないんじゃ、俺が移籍してきた意味はないですからね」
――ピッチ上以外のことも求められていると。
「34歳だし、いろいろ経験してきたからね。そこは伝えていかないといけないかなと思っています」
ゴールを奪う秘訣は
練習と自信
――J1最多となる通算171得点を挙げていますが、ゴールの秘訣は?
「練習ですよ。壁に向かって打つでもいいし、シュート練習は毎日のようにやっていたから、それは大事だと思う。あと、自信も大きいかな。昔はミドルシュートを打つ機会はそれほどなくて、年に1回入るか入らないかくらいだったけど、練習をして自信をつけて試合に臨んでいるから、ミドルも打つし、入ることも多くなったし、『俺にボールをくれ』『俺が決めてやる』と思ってプレーできる。ちゃんと練習をしていないと、『ここではボールをほしくないな』と思うこともありますからね」
――通算200ゴールまで、あと29です。
「200まで伸ばしたいですよね。ここまで来たら絶対に目指したいですよ。やっぱり、俺はゴールを決めないといけないから」
――34歳を迎えましたが、まだまだ成長を感じますか。
「『まだまだ伸びるぞ』という手応えがあるし、『もっとやれるんじゃないかな』と思っています。『やれないな』と思ったら、この年齢で移籍を決断するのは難しいけど、『やれる』と思ったからこそ移籍してきました」
――01年に国見高からC大阪に加入した頃、この年齢までプレーし、ここまでの結果を残していると想像していましたか。
「全然(笑)。30歳でサッカーを辞めていると思っていたし、実際に30歳で辞めると言っていました。プロサッカー選手になった時は、『30代の選手って、すごいおじさんなんだろうな』って思っていたから(笑)、俺も辞めると思っていましたよ」
――実際に30歳を超えていかがですか。
「体力面でもプレー面でも全然変わらなかったから、もうちょっとやりたいなと。この年齢までプレーできているのは、大きなケガがなかったのも大きいし、サッカーがうまくなりたいという気持ちをずっと持ち続けているからかな。今は40歳までやりたいなと思っています」
――サッカーを続けているモチベーションは?
「『やれる』と思ってやっているし、点を取りたいということ。それと、タイトルを獲りたいですね。サッカーを辞めるまでに一つは獲りたい。FC東京もリーグ戦のタイトルは獲っていないので、それを成し遂げるためにも自分がゴールを決め続けたい。あと、子供に自分がサッカーをやっていたことを覚えていてほしいので、それまでは続けたいですね」
――ゴールを取り続けるためにスパイクに求めることを教えてください。
「履いたときのフィット感や軽さ、あとはポイントがどれくらい芝生を噛むかというところです。一瞬で相手選手を振り切れるか、振り切れないかが重要なので、芝を噛んでくれるかはすごく重要ですね」
――新スパイクとなる「ハイパーヴェノム3」の履き心地はいかがですか。
「紐を結んだときにギュッと足が包み込まれている感じがして、フィット感がすごくありましたね。足に馴染むだけでなく軽いし、靴底が柔らかいので、動いたときに自分が行きたい場所にスパイクごと行ってくれる感覚です。ストライカーは相手の意表を突く動きなどをするので、トリッキーな動きにスパイクが付いてきてくれるのは最高ですね。切り返しのときもポイントが芝を噛んでくれるので、自分のプレースタイルにすごく合っています」
――カラーの印象は?
「黄色とオレンジは好きな色だし、かなり派手なので個人的にはすごくテンションが上がりますね。早くこのスパイクを履いて試合がしたいし、今までよりも点が取れればいいなと思います」
――今シーズンの目標をお願いします。
「FC東京には元々良い選手がそろっていたし、今回はさらにそろったと思う。ただ、良い選手がそろってもうまくいかないこともあるので、一つになって、今年のFC東京は強かったと言われるようなチームになればいいですね。個人的に? プロになってからずっと目指しているから、また得点王取りたいですよ」
(取材・文 折戸岳彦)
俺は刺激がないとダメ
ゼロから頑張ろうと思った
――川崎Fを離れ、FC東京への移籍を決断した理由を教えて下さい。
「2年前にもFC東京からオファーをもらいましたが、その時は断っていました。ただ、34歳になった俺にもう一度オファーを出してくれて、チームの熱意を感じたし、俺自身もう一回チャレンジしたい気持ちが湧いてきた。川崎にいれば今までどおりのプレーができたかもしれないけど、それでは俺らしくないかなと。せっかくオファーがきたし、違うチームで今までとは違う刺激をもらい、またゼロから頑張ろうと思った」
「それでも、自分がチームを変えることで受ける刺激の方が大きいし、また違ったパワーを出せる。俺は、刺激がないとダメなんですよ」
――国内移籍だけでなく、海外移籍の経験もあります。移籍に対する不安と楽しみでは、どちらの方が大きいものですか。
「移籍の経験はあるけど不安はあるし、不安がないとダメだと思う。試合に入るときも同じで、不安がないと体が動かないこともある。ゴールも次の試合で取れるのか、取れないのかを考えるし、取れなければ『このまま点を取れないんじゃないか』と思うくらい、意外に考え込むタイプですからね。だから移籍にも不安な気持ちはあるけど、やっぱり、またゼロからという楽しみの方が大きいかな」
――外から見ていたFC東京のイメージは?
「サッカーの相性もあるけど、川崎にいるときは個人的にプレーしやすかったし、もっと激しく来たら嫌なのになと感じることもあった。FC東京は少し大人しいイメージがあるので、自分が入るからにはそういうところからチームを変えていきたいと思っている。自分は練習が終わったらすぐに帰っちゃうから(笑)、練習中に感じたことがあれば、『こうした方がいいんじゃない?』『こういうやり方はどう?』とかチームがうまく回るようなことは言いたい。それで何も変わらないんじゃ、俺が移籍してきた意味はないですからね」
――ピッチ上以外のことも求められていると。
「34歳だし、いろいろ経験してきたからね。そこは伝えていかないといけないかなと思っています」
ゴールを奪う秘訣は
練習と自信
――J1最多となる通算171得点を挙げていますが、ゴールの秘訣は?
「練習ですよ。壁に向かって打つでもいいし、シュート練習は毎日のようにやっていたから、それは大事だと思う。あと、自信も大きいかな。昔はミドルシュートを打つ機会はそれほどなくて、年に1回入るか入らないかくらいだったけど、練習をして自信をつけて試合に臨んでいるから、ミドルも打つし、入ることも多くなったし、『俺にボールをくれ』『俺が決めてやる』と思ってプレーできる。ちゃんと練習をしていないと、『ここではボールをほしくないな』と思うこともありますからね」
――通算200ゴールまで、あと29です。
「200まで伸ばしたいですよね。ここまで来たら絶対に目指したいですよ。やっぱり、俺はゴールを決めないといけないから」
――34歳を迎えましたが、まだまだ成長を感じますか。
「『まだまだ伸びるぞ』という手応えがあるし、『もっとやれるんじゃないかな』と思っています。『やれないな』と思ったら、この年齢で移籍を決断するのは難しいけど、『やれる』と思ったからこそ移籍してきました」
――01年に国見高からC大阪に加入した頃、この年齢までプレーし、ここまでの結果を残していると想像していましたか。
「全然(笑)。30歳でサッカーを辞めていると思っていたし、実際に30歳で辞めると言っていました。プロサッカー選手になった時は、『30代の選手って、すごいおじさんなんだろうな』って思っていたから(笑)、俺も辞めると思っていましたよ」
――実際に30歳を超えていかがですか。
「体力面でもプレー面でも全然変わらなかったから、もうちょっとやりたいなと。この年齢までプレーできているのは、大きなケガがなかったのも大きいし、サッカーがうまくなりたいという気持ちをずっと持ち続けているからかな。今は40歳までやりたいなと思っています」
――サッカーを続けているモチベーションは?
「『やれる』と思ってやっているし、点を取りたいということ。それと、タイトルを獲りたいですね。サッカーを辞めるまでに一つは獲りたい。FC東京もリーグ戦のタイトルは獲っていないので、それを成し遂げるためにも自分がゴールを決め続けたい。あと、子供に自分がサッカーをやっていたことを覚えていてほしいので、それまでは続けたいですね」
――ゴールを取り続けるためにスパイクに求めることを教えてください。
「履いたときのフィット感や軽さ、あとはポイントがどれくらい芝生を噛むかというところです。一瞬で相手選手を振り切れるか、振り切れないかが重要なので、芝を噛んでくれるかはすごく重要ですね」
――新スパイクとなる「ハイパーヴェノム3」の履き心地はいかがですか。
「紐を結んだときにギュッと足が包み込まれている感じがして、フィット感がすごくありましたね。足に馴染むだけでなく軽いし、靴底が柔らかいので、動いたときに自分が行きたい場所にスパイクごと行ってくれる感覚です。ストライカーは相手の意表を突く動きなどをするので、トリッキーな動きにスパイクが付いてきてくれるのは最高ですね。切り返しのときもポイントが芝を噛んでくれるので、自分のプレースタイルにすごく合っています」
――カラーの印象は?
「黄色とオレンジは好きな色だし、かなり派手なので個人的にはすごくテンションが上がりますね。早くこのスパイクを履いて試合がしたいし、今までよりも点が取れればいいなと思います」
――今シーズンの目標をお願いします。
「FC東京には元々良い選手がそろっていたし、今回はさらにそろったと思う。ただ、良い選手がそろってもうまくいかないこともあるので、一つになって、今年のFC東京は強かったと言われるようなチームになればいいですね。個人的に? プロになってからずっと目指しているから、また得点王取りたいですよ」
(取材・文 折戸岳彦)