左から 塚本 翼、金久保 優斗、藤本 誠啓(東海大市原望洋)

 第89回選抜高等学校野球大会の観戦の楽しみ方の一つを紹介したい。それは、中学の日本一を決めるジャイアンツカップ優勝経験者が多くいるチームは、毎年、全国上位に勝ち進んでいることだ。

 まず、2011年ジャイアンツカップで優勝した「飯塚ライジングスターボーイズ」出身の選手のセンバツでの活躍を振り返ろう。福島 孝輔(同志社大)は大阪桐蔭に進んで2014年夏の甲子園優勝投手に輝き、2012年ジャイアンツカップ時の湘南ボーイズの中心選手だった小笠原 慎之介(中日ドラゴンズ<関連記事>)、キャッチャー・長倉 蓮(東海大<関連記事>)、ショート・杉崎 成輝(関連記事)は東海大相模に進み、2015年夏の甲子園優勝。さらに、2013年優勝の「枚方ボーイズ」の主力選手たちのセンバツでの活躍も華々しい。九鬼 隆平(現・福岡ソフトバンク<関連記事>)、松尾 大河(現・横浜DeNA<関連記事>)、堀江 航平、有村 大誠の4人は秀岳館に進み、昨年は選抜、さらには夏の甲子園ともにベスト4と素晴らしい実績を残している。

 そして、今年の3月に開幕するセンバツに出場する最上級生たちは、2014年のジャイアンツカップに出場しているが、その優勝チームは千葉県にある「佐倉シニア」だ。佐倉シニア出身者の多くは、東海大市原望洋に進学した。最速146キロ右腕・金久保 優斗、2番打者としてバットコントロールの良い打撃と、俊敏な遊撃守備が光る藤本 誠啓、左の強打者として活躍する塚本 翼、堅実な二塁守備を見せる鯨井 祥敬らがそうだ。昨秋は関東大会準優勝まで勝ち進んだ東海大市原望洋は、金久保を中心に粘り強く勝ち進み、打線も機動力を絡めながら得点を加点するなど、例年の東海大市原望洋にはない姿を見せた。

 これまで、春夏通じて二度の甲子園出場がある東海大市原望洋だが、まだ全国での勝利は一度もない。過去3年、ジャイアンツカップ優勝経験者がいるチームは、全国でも上位に勝ち進む...。このジンクスが東海大市原望洋に当てはまれば、今年は躍進の一年になるかもしれない。

 また佐倉シニア出身で、活躍を見せている東海大市原望洋以外の選手たちを最後に紹介したい。

・峯村 貴希(木更津総合)・吉野 海都(習志野)・小安 泰雅(習志野)・牛山 千尋(東海大菅生)・西秋 隆規(市立船橋)

 ジャイアンツカップ優勝チーム出身メンバーの2017年度の活躍が楽しみだ!

 文・(河嶋 宗一)

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