未充足の求人がある事業所が52%に上ることが、厚生労働省の11月の労働経済動向調査で分かった。医療・福祉業は7割以上、サービス業や宿泊・飲食サービス業では6割以上となっている。

 11月1日現在の未充足求人がある事業所は全体の52%。産業別に見ると、「医療、福祉」(74%)、「サービス業」(65%)、「宿泊業、飲食サービス業」(62%)、「運輸業、郵便業」(58%)、「卸売業、小売業」(54%)が半数を超えている。

 11月1日現在、正社員等の労働者過不足判断D.I.(「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値)は36ポイントとなり、22期連続の不足となった。
 
 正社員等の労働者過不足判断D.I.は全ての産業で不足となり、「医療、福祉」(55ポイント)、「運輸業、郵便業」(46ポイント)、「建設業」(43ポイント)、「宿泊業、飲食サービス業」(40ポイント)、「サービス業」(39ポイント)、「学術研究、専門・技術サービス業」(38ポイント)、「情報通信業」(37ポイント)など幅広い産業で正社員不足が続いている。

 一方、パートタイムの労働者過不足判断D.I.は33ポイントで、29期連続の不足となった。正社員と同様にすべての産業で不足の状況となっている。

 7〜9月に中途採用を実施した事業所は全体の62%で、前年同期を1ポイント上回った。産業別に見ると、「医療、福祉」(81%)、「サービス業」(79%)、「宿泊業、飲食サービス業」(68%)で割合が特に高かった。50%以下は建設業(43%)のみとなっている。

 10〜12月は60%の事業所が中途採用を予定している。

 2017年の新卒採用の予定がある事業所は「高校卒」(47%)、「高専・短大卒」(34%)、「大学卒(文科系)」(46%)、「大学卒(理科系)」(46%)、「大学院卒」(30%)、「専修学校卒」(27%)となり、全学歴で2016年の新卒者の前年同期と2016年2月調査の割合を上回った。

 2017年の新卒採用の内定状況は、「高専・短大卒」と「専修学校卒」以外の学歴で「採用計画数どおり採用内定(配属予定)をした」事業所の割合が最も高かった。

 一方、「採用計画数に採用内定(配属予定)が達していない」事業所の内訳は、全ての学歴で「採用計画数以上の応募者数はあったが計画数までの採用内定は行わなかった」よりも「採用計画数に応募者数が達していない」事業所の割合が多かった。

 調査は主要産業の30人規模以上の事業所のうち5835事業所を抽出して実施し、2949事業所から有効回答を得た。