大手企業の法定外福利費が増加に転じたことが経団連のまとめで分かった。ストレス・チェックの義務化や育児支援の強化が背景となっているもようだ。

 経団連が会員企業を対象にした調査によると、2015年度に企業が負担した福利厚生費は、従業員1人1カ月平均で11万627円(前年度比2.1%増)となり、初めて11万円を超えた。

 このうち、法定福利費が8万5165円(同2.0%増)、法定外福利費が2万5462円(同2.3%増)だった。

 法定福利費は6年連続の増加。現金給与総額の伸び(同1.2%増)を上回って増加する傾向は80年度以降変わらないが、加えて社会保険料の増加などの影響があったと考えられる。

 法定外福利費は抑制傾向が続いているものの、9年ぶりに増加に転じた。法定外福利費の伸びが現金給与総額、法定福利費の伸びを上回るのは02年度以来となる。

 ただし、02年度は調査方法を大幅に変更し数値の変動幅が大きいため、それ以前では93年度まで遡る。

 内訳をみると、医療・健康費用の「ヘルスケアサポート」が1036円と大幅に増加し(同10.6%増)、初めて1000円を超えた。

 これは、昨年12月から義務化されたストレスチェックへの対応や健康経営の高まりが原因と考えられる。

 また、「育児関連」も387円(同11.2%増)となり、引き続き企業が子育て支援策を充実させていることがうかがえる。

 調査は、経団連会員企業など667社(1社当たりの平均従業員数4583人)から回答を得た。