宇賀神の負傷により、前半36分に急きょ投入されたMF駒井善成

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[10.15 ルヴァン杯決勝 G大阪1-1(PK4-5)浦和 埼玉]

 タイトル獲得は当然「うれしい」。試合後の取材エリアでも白い歯がこぼれる。しかし、浦和レッズMF駒井善成は喜びと同じくらい、悔しさを感じていた。

 出番は突然訪れた。前半36分にMF宇賀神友弥が負傷。駒井は急きょピッチへ送り込まれることになったが、「サブからのスタートだったけど、コンディションも維持できていたし、心の準備もしていた」とすんなり試合に入った。

 良いイメージもあった。G大阪とは2週間前のJ1リーグ第2ステージ第14節で対戦。右アウトサイドに入った駒井は、切れ味鋭いドリブルで相手守備網を切り裂き、3得点に絡む活躍を見せていた。しかし、この日は相手の警戒がより強まり、前回対戦時のような仕掛けをなかなか見せることができない。

「ボールを受けた瞬間に(G大阪の)中盤の選手が中を切って、藤春(廣輝)さんが縦を切る感じで、1対2という状況になっていた」。駒井への警戒が強まった分、後方に構えるDF森脇良太がフリーになる状況もあり、「モリくん(森脇)に戻して連係を使えた」と振り返ったが、持ち味を発揮し切れなかったことに悔しさが残ったようだ。

「タイトル獲得はすごくうれしい。心の底から喜んでいますが、悔しさも半分残っていて、モヤモヤするような感じです。自分のプレーに満足できなければ、ちょっと重たい気持ちになってしまうので、僕は」

 悔しさを晴らす舞台は、まだ残されている。「リーグ戦、天皇杯に向けて気持ちを切り替え、練習からしっかりアピールしていきたい」と今度は自身が満足いくプレーを披露して、チームにタイトルをもたらしたいと意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)
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