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数日にわたって開催されるIntel Developer Forumでは、CEO ブライアン・クラーザニッチ氏による「Project Alloy」と題された無線のVRヘッドセットについてのキーノートによるスピーチで幕を開けた。

Project Alloyは、Intelが「Marged Reality」と呼んでいるより大きな取り組みの一部である。彼は、IoT開発者をターゲットとした「Intel RealSense デプス・センシングカメラ」を搭載したボード、 『Intel Joule』を紹介した。

Merged Realityは、スピーチで触れられたプロジェクトの中でもっとも大きく取り上げられたものである。Merged Realityでは、デプスセンシングと5フィンガートラッキング機能をもつ「ワイヤレスVRヘッドセット」の前方部分に『RealSenseカメラ』が備わることにより、カメラを通して見える空間の中を自由に歩き、自分の手を使ってその環境を操作することが可能となっている。

今回のフォーラムに参加したIntelの開発パートナーたちの強い反応は、彼らが「IntelのIoT技術への取り組みについてよりよく知りたい」という熱意の現れと見ることができる。

「 HPC分野の業者やコンピュータのファンなどから多くの注目を集めているなか、理解の助けになる言葉をより多く必要としている分野はIoTである。Intelがこれについて何も説明していないというわけではないが、IoTはまだまだ成熟しておらず、今後どのような型が生まれるのかについてまだはっきりとした答えは出ていない」と、カリフォルニア州フレモントに拠点をおくIntel系システム構築企業 ASIのマーケティング部門副社長 ケント・ティビルス氏は CRN に語った。

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Jouleによって活発になるIoTのプロトタイピング

参加者に対して、Intelが何も答えなかったわけではない。Jouleは、Project Alloyで取り上げられたRealSenseカメラ(コンピュータビジョン技術等)を搭載しており、開発者や起業家たちは、これら技術を使ったIoTアプリケーションのプロトタイプをすぐに作ることが可能である。

それに関連して、Intelは次のように言っている。

MicrosoftやGEといったIntelのパートナー企業たちは、IDFにおいてこの技術を使ったデモをおこなっている。それには、欧州の航空機メーカーであるAirbus社の社員向けにAR安全眼鏡を作った、フランスの企業 PivotHead も含まれている。

ほか開発者がもっとも興味をもっている分野としては、「5Gワイヤレスコミュニケーション」についてである。Intelは近年、次世代のコネクテッドデバイスにとっての5Gの重要性を提唱しており、ホワイトハウスは5Gの標準策定のための4億ドル規模の構想を発表している。開発者たちの多くが、Intelはフォーラム中にこのことについて何か語るのであろうと期待するのも当然だろう。

今回のフォーラムでは期待するよりもずっと少ない情報しか与えられなかったわけであるが、最近のIntelの動きを見るに、我々の予想をかるく超える未来を描こうとしているのだろう。ただ単に、IoTという大きなエネルギーを抱えた黎明期の技術に翻弄されているのかもしれないが。

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ひとまずは、Jouleで楽しみながらモヤモヤとした霧が晴れることを待つのみだ。

ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]