親にはわからない「小学生の悩み事」ランキング10

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経営者・役員300人にアンケートをとり、小・中・高・大学生の悩みへの回答をいただいた。各年代の悩みベスト10とともにその良質な回答例を紹介する。

小学生の悩みベスト10

1位 なぜ勉強しなくてはいけないのか
2位 友達ができない
3位 死んだあとどうなるのか
4位 運動が苦手だ
5位 人前でうまく話せない
6位 もっと小遣いがほしい
7位 兄弟姉妹と比べられるのが辛い
8位 ペットの死が悲しい
9位 朝なかなか起きられない
10位 キレイに(カッコよく)なりたい

■経営者・役員が悩みに回答

▼1位:なぜ勉強しなくてはいけないのか

子どもは遊んでばかりかと思いきや、小学生の悩みのトップにきたのは勉強について。4位以下も小遣いや兄弟関係、ペットの死など、かなり身近なことが悩みの種になっていることがわかった。かといって、親として放置することはできない。

「将来自分のやりたいことをするためには、よく考えて行動することが必要。難しいことを勉強するのは、その練習なのだ」(APOLLO11代表取締役・吉丸彰氏)

「社会に出てからも勉強は続く。強い意志がなければ続かないから、自分からやる気になるまでやらなくてもいい。ただし、受験のことなどを考えると、早めにやる気を出したほうが楽。勉強を楽しめると人生も楽しくなる」(デザインオフィスアキラ・伊藤晃氏)

「大人になってわかったのは、勉強は知識をつけるためだけにするのではないということ。たとえばテストなら、目標に向かって努力する力。難しい問題を解くのは、集中して物事を考える力をつけるためだ。知識が直接将来の役には立たなくても、真面目に勉強に取り組んだ経験は必ず生きる力になる」(ピュアグリーン代表取締役社長・佐藤祐輔)

▼2位:友達ができない

「『友達は多いほうがいい』『何でも打ち明けられる関係が理想』という思い込みがあるのでは? 大人になっても続いている学生時代の友達、ましてや小学校時代の友達なんて本当に稀だ。自分の中で勝手に高めてしまった『理想の友達関係』のハードルを低くしてやろう」(中堅医療機器メーカー)

「友達ができないのはまったく問題じゃないけれど、『自分の良さがわからないなんてまわりのヤツはバカだ』などと、友達ができないことをまわりのせいにするのは問題だ。一人でも楽しめるならそれでいいし、もし他人を呪っているなら考え方を変えよう」(ビジネスホテル経営)

「いいところを見せようとしていると、近寄りがたい雰囲気を身にまとってしまうことがある。少し『バカなこと』をして笑いをとるくらいの器の大きさを身につければ、一緒に笑いあえるくらいの友達は簡単にできる」(大手繊維メーカー)

▼3位:死んだあとどうなるのか

「子どものころは私も『死』への不安に囚われることがあった。ただし、今も結局答えは出ていない。そのことから考えても、あまり死について考えるのはよくない。ある程度考えたら、次は『死ぬまでどう生きるのか』を考えよう。人生の有限性を知ったうえで将来設計することができるのは、とてもすばらしいことだと思う」(アイランド・ブレイン代表取締役・嶋基裕氏)

「死んだあとどうなるのかは、正直誰にもわからない。でも、わからないままでも楽しく生きていけるし、大人になったら『死んだら……』なんて考えている時間がなくなるから安心してほしい。今の不安な気持ちは、勉強したり、友達と遊んだり、考える暇を自分に与えないことで克服していこう」(不動産投資会社)

「正解のない悩みに振り回されるより、これからの人生を楽しく過ごすにはどうすればいいかを考えたほうがいい」(教育関係)

(大高志帆=構成)