海洋資源に恵まれた日本では、魚介類が食文化の屋台骨を支えている。しかし、種々の原因により「天然物」だけでは需要を満たしきれなくなっているのが現状だ。中国メディア・光明日報は3日、現代的な漁業養殖技術が日本のグルメを支えているとする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF) 

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 海洋資源に恵まれた日本では、魚介類が食文化の屋台骨を支えている。しかし、種々の原因により「天然物」だけでは需要を満たしきれなくなっているのが現状だ。中国メディア・光明日報は3日、現代的な漁業養殖技術が日本のグルメを支えているとする記事を掲載した。

 記事は、古来より魚介類が日本人にとって最大のたんぱく質摂取源だったとしたうえで、世界的に海洋漁業資源が日々枯渇に向かっている状況において、いかに品質の良い魚介類をキープしていくかが「日本の関連分野の研究者が直面している重大な課題となっている」と説明した。

 そして、日本では「種の選抜」によって天然海産物の品種改良を進めて養殖の効率アップ、コストダウンを図る取り組みが進んでおり、長年の努力によってすでに「驚くべき成果」を挙げていると伝えた。その例として、約40年にわたって外観や成長速度の測定を行い、要職に適した性質を持つ種の選抜や交配を何度も繰り返すことで新品種の開発に成功した近代マダイを紹介した。

 また、より効率的で的確な「種の選抜」を目指すため、近年では「DNAマーカー」による選抜の研究がトレンドとなっていると説明。2007年には神奈川県と東京海洋大学がヒラメを用いた研究を進め、特定のウイルスに強い新品種の開発に成功し、現在では養殖ヒラメの20%のシェアを獲得するに至っている事例を紹介した。13年には日本水産総合研究センターが「DNAマーカーによる選抜」を柱とする戦略を制定し、外部機関と10種類あまりの魚類についての研究を進めていると伝えている。

 さらに、本来人間が食べることのできるイワシなどが、養殖魚のエサとしての消費が増加していることから、DNAマーカーを利用して大豆の搾りかすなどの「食品副産物」を食べて成長する品種を選抜する取り組みも進んでいると紹介した。

 健康志向や和食ブームによって、魚介類の摂取量が世界的に高まっている。特に中国では経済成長に伴って食生活における動物性たんぱくの摂取量が高まり、魚の消費も急増した。需要が今後さらに増えることになれば、質の高い養殖技術がもつ世界的な価値はますます高まることになるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)