INSIGHT NOW! 編集部 / クイックウィンズ株式会社

写真拡大

今日、1月7日は「人日(じんじつ)の節句」です。七草がゆを食べて1年の豊作と無病息災を願う日です。春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ、ホトケノザ(オオバコ)、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)。この日の朝、七草を入れたおかゆを食べると健康に過ごせると言われています。

「人日の節句」と言う言葉はまったく聞かれなくなりましたが、七草がゆを食べる風習は今も続いています。どこのスーパーでもコンビニでも、七草が店頭に並びます。かご盛りのものもあれば、お手軽なフリーズドライのパックもあります。正直、あまりおいしいと思って食べたことはありませんが、年末年始の暴飲暴食に疲れた胃腸を休ませるには、いい習慣なのでしょう。

ところでこの七草、カブや大根、セリくらいならふだんでも食卓にのぼりますが、ハハコグサだのホトケノザだの、いつもは“雑草”としか見ていない野草をありがたがってみなで食べるというのも、なんだか不思議な気がします。昭和40年代くらいまでは土手でヨモギを摘んで、家で草餅を作るようなこともさほど珍しくはありませんでしたが、今はどうでしょうか。野草を摘んで家で食べるというのは、なかなかないように思います。

そもそも食べられる草かどうかを見分けられる知識も、アクが強い野草をきちんと処理できる技術も、一般的ではなくなってしまいました。昔、摘んできたヨモギで草餅を作った時も、食べてはいけない草が混ざっていたらしく、一日中、吐いたり下したりしたことがありました。野草は中途半端な知識で手を出してはいけないのだと、肝に銘じたものです。

もちろん今、スーパーなどで売っている七草は栽培され、選別され、きれいに処理されていて、他の安心安全な野菜となんら変わりないものなので、野草を食べるというのとは違います。それでも、ふだんかえりみることのない道端の“雑草”をあえて食べることで、日頃のきれいでおいしい野菜ばかりの食卓のありがたみを改めて感じるのもいいかもしれません。